ドアを開けたら異世界に繋がっていた
こうじ
どん底からのスタート
俺『桂木マコト』は、誰が何と言おうと今、人生のどん底にいた。
何故なら現在無職、貯金無し、家無し、の3無し状態だからだ。
大学卒業するまでは所謂『リア充』だった。大手企業に就職して、将来を約束した彼女もいて、未来は明るかった。
しかし、現実は甘くなかった。
入った会社は所謂『ブラック企業』で、サービス残業当たり前、パワハラセクハラ当たり前で程無くして俺は体調を崩しそのまま退職、当然の様に退職金は払われなかった。
彼女は最初は励ましてくれていたが俺が就活に苦労しているのを見て、『金の切れ目が縁の切れ目』の様にさっさとIT社長に乗り換えやがった。地獄に落ちろアホ女。
挙げ句の果てに住んでいたアパートが全焼した。原因は隣人のタバコの不始末だった。
家財道具一式全て失い、俺は地元に戻り実家で一時避難していた。
都会でボロボロになった俺を両親は心配してくれた。『あんたのペースでゆっくりしていきなさい』と言われた時は正直泣いた。
しかし、いつまでも実家暮らしとは行かないで友達のつてで紹介されたある不動産屋からあるアパートを薦められて借りる事になった。
独り暮らしには充分な部屋なんだが一つだけおかしな所があった。
奥に『木の扉』があるのだ。
RPGとかに出てくるあの扉だ。
不動産屋に聞いてみたが何故か教えてくれない。何かニヤニヤしていたし・・・・・・。
まぁ、とにかく部屋を借り、バイトを始めて、家財道具も友人達がいらない物をくれたりで生活が漸く安定してきた頃、漸く例の扉が気になり始めた。
まさか、開けたら異世界とかじゃないよな、と思いゆっくりと扉を開けた。
そして閉めた。
俺は目を疑った。
頭の中で整理してもう一回扉を開けた。
目の前に広がっているのは、まるで中世のヨーロッパの風景だった。
通る人々は普通の人間なんだが中には騎士だったり、魔法使いみたいな格好していたり頭にケモミミや尻尾を生やしたり・・・・・・。
俺は悟った。
此所は『異世界』だ。
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