第8話 検査、探査、踏査
3メートルほどの土壁で囲まれたカキ・マノン村。
霊峰マノンの
検査とは異状や悪い所がないかどうか調べること。
村の入口で、私は門番さんの指示で高さ2メートルほどの大きな板に手を当て、手元に浮かび上がる質問を見ている。門番さんが言うには、
「一人一人質問が違うから、正直に答えるんだぞ。」
ということらしい。ウソをつくと、質問が延々に続くとか何とか……。地味だけど確実なのかな。えーっと。
「ここに来た目的は、山にいるのもなぁ、と思って。」
ピロロン、ピロロン
……正解らしい。なんだろう、異世界に来てまで聞きたい音じゃないな。肩を脱力させ
「お、もういいぞ。飯なら、あの煙の出ている所に行ってみろ。宿なら村の中央にあるぞ。」
「ありがと。」
門番さんから教えてもらった煙の
中を覗くと、大きな台所で野菜を切る音や指示を出す声が聞こえてくる。テーブルと机が
近くにいたテーブルを拭いている女性に聞いてみる。
「すいませーん。」
「おや、可愛らしい子だね、ちょっと今、薬草を切らしててね。……まーた壁の外へ採りに行かないとねぇ。」
「あの、1食いくらなんですか? お金、持ってないんですが……。」
「なんだい、持ってないなら働いてきな。こういう薬草を探すんだ。1束で1皿だよ。」
「私が集めてきても良いんです?」
「誰が集めたって同じさ。あんたがやらないなら、あたしらの誰かが空き時間に採るだけだよ。お腹減ってるんだろ? ほら、行っといで。」
「わかりました。」
急いで門番さんの所に戻る。また来たのか、という顏をされたが、事情を話すとすんなり通してくれた。5分ほど土壁沿いに歩いて……この辺で良いかな。ざっと見ただけで点在している事が分かる。パパッと集めようかな。
「マノンも探して。」
「あんな苦い草でも食べれるんだなぁ。あ、そこに生えてる。」
「ありがと。んっしょ。」
「2束は集めないとね。僕の分もあとでくれるんだよね?」
「……そうだね。」
「……集めてね?」
マノンの催促を華麗に無視して集めていく。両手いっぱいになるくらいで良いよね。今度からは細かい所も聞くことにしよう。
根が浅いからだろう、すぐ抜ける。両手いっぱいにして急いで戻る私を門番さんは
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「カキフライ食べたい。」
「仕事。」
「カキ「仕事」フ、あぅ……。」
「……あとで用意しておきますので。」
「がんばる!」
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被害
村西部の地面 陥没数十か所
補足
カキ(kiki)はインドネシア語で
薬草と雑草の違いは、葉の裏にあるので、セレスのように「ざっと見て分かる」人は少ない、という設定。
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