第4話 長い話って
眠たくなるよね。マノンを背もたれにして常識を教えてもらっている。風が気持ち良いなぁ……。
「……から、この山は信仰の対象にもなっているんだよ?」
「ZZZ」
「フンス、フンス!」
「んあ、寝て、たね。」
「説明を求めておいて寝るのは、いかがなものかと思うよ、僕は!」
「ごめんごめん。」
「まったく……。」
霊峰【マノン】
切り立った崖、最も魔力濃度の高い霊山として知られている。魔力溜まりの数や規模に比例して発生する魔物も強くなるらしい。数百年もの間、停滞する魔力溜まりのため、活発な生命活動をする魔物が多数生息している。
マノンが生まれたのは200年ほど前らしい。そこらの奴らには負けないほど強いのだと自慢気に語っていた。
「……だから、ご主人様である、この僕の下僕として」
「……」(ゴソゴソ)
「敬ってくれていいんだよ?」
「マノン、あれ何?」(マノンの後ろを指差しながら)
「ん? あれって? どこどこ?」
「『性質変化』ピリっとする程度、てぃ。」
「にゃ——!」
これで強いというのだから、たかが知れていると思うんだ。ピクピクと
私たちがいるのは、
高所なのに2階建ての家くらいの木が何本も生えているし、雑草もたくさん
「アレは【アレ】だよ、食べられるよ。」
「どれ?」
「あれ?」
「ん?」
……バカやってないで食べられる花を摘んでおこう。【
「食事にするかい?」(もっもっ)
「めっちゃ食べてるし。昨日から食べてないから、お腹減っちゃった。木の実でも
「ちょっと獲ってくるよ。」
「え?」
止める間もなくマノンが縦穴へと駆けだして行った。
————————————————
「あの毛玉……良いわね、あなたアレになってみない?」
「嫌ですよ、動きにくい。」
「可愛いのに……。」
「ご自分を変成してみては?」
「……準備してくるわ。」
「おやつ抜きですよ……?」
「……やめときます。」
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被害
マノンの尻尾×3回「何で僕ばっかり!」
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