第4話 いつもと違う朝 side:火憐 燈灯
神楽の街にある、とある日本家屋。
新陰流火憐道場。多くの門下生を抱え、普段は賑やかな道場も、早朝のこの時間は静かである。
しんと静まり返った道場に響き渡る竹刀が鋭く風をきる音。
1人分の呼吸の音と床の軋む音。
どこか赤みを帯びた黒い長髪を後ろで1つに纏め、袴を着て竹刀を振るう。
1つ1つの動作を丁寧に、静と動を凛とした姿は本物の剣士のよう。
「・・・はぁ。・・・はぁ。」
時間を確認して鍛錬を切り上げ、シャワーを浴びて汗を流す。
「おはようございます。」
リビングへ続く扉を開けて挨拶するが、誰の姿もなかった。
「・・・あれ?母さん?父さん?」
おかしいな・・・この時間には母さんも父さんも起きていて食卓にいるはずなのに。
2人揃って体調でも悪いのかな?
そう思って部屋をノックするも、返事はない。
時間を確認すると、家を出る時間が迫っている。
2人の様子も気になるが、剣道部の朝練もあるから部長の自分が遅刻する訳にはいかない。
2人もいい大人だ。いくら父さんが病院嫌いといっても、体調が悪ければ自力で病院に行くことくらい出来るだろう・・・。自力が難しければ救急車を呼ぶか・・・門下生をつかまえて、連れてってもらうだろう・・・。それに、何か緊急事態であればスマホか学校に連絡がくるはずだ。
いつもと違う家の様子に戸惑いながら、リビングに戻る。
普段母さんが用意している朝ごはんも、当然今日は準備されていない。
仕方なく自分で用意し、急いで軽い朝食を済ませ家を出る。
そして、僕の日常は・・・
180度形を変えた。
✄- - - - - - キ リ ト リ - - - - - ✄
こんにちは、ひなです((*_ _)
第4話、いかがでしたでしょうか?
今回のお話に出てきた人物ですが・・・
主人公の少年少女の内の1人です!!
このお話では名前すら出てきませんでしたねー(´・ω・`;)
タイトルにあるお名前がそうです!
フォロー・応援・★・レビューお待ちしてます♬.*゚
次回、第5話「いつも通りの朝 癒月鈴夢」
どうぞ、お楽しみに*✩
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます