第2話 始まりの始まり 朝

「ねぇ、明流ほたるはるくん」

私と同じ顔をした星羅せいらが呼びかけてくる。

「なぁに、星羅。」

「何だか、嫌な予感がする。」

「げ。」

唐突に告げられた一言に、

髪の毛の短い私。のような、晴が嫌そうな顔をする。

まぁ、それも分からなくないかな。

だって、セイラの嫌な予感は的中する。

と、いうことは・・・

「「「 いよいよ」」」「ね!」「だね!」「か!」

重なった声に3人で笑い合う。

「明流、晴、準備はいい?」

「バッチリ!あーあ、こっちの世界での生活も、もう終わりかぁ。」

長かったような、短かったような。

欲を言えばもう少し満喫したかったかなぁ・・・なんて思っていると星羅が不安そうな声で呟く。

「私は嬉しいかも。だって、やっと会えるんだもん。私の1番大切な2人に・・・明流と晴くんにやっと会えるから。」

全く、なんて可愛いことを言うんでしょう、私の姉は。

数秒前の私の思いは、その一言でどうでもよくなってしまった。

「ふふふ、私も会えるの嬉しいよ、お姉ちゃん」

「ほ、 明流・・・そんなこと他の人に言ったら駄目よ?絶対、駄目よ?」

とびきりの笑顔で伝えると、顔を紅くして照れながら星羅がワタワタと抗議してくる。

「何照れてんの。先に歯の浮くようなこと言ったの星羅じゃん。」

「は、晴くんは、、、嬉しくないの?もしかして、こっちに来るの嫌?」

バッサリと晴に冷たく切られ、不安になった星羅は恐る恐る晴を見る。眉を下げ、大きな瞳を不安気に揺らすその顔には庇護欲が唆られる。

「「っ!!星羅!!」」

2人に同時に名前を呼ばれキョトンとした顔をする星羅。

「そんな顔」

「他の人の前でしちゃ」

「「ダメだからね!」」

息ぴったりの2人に注意をされるが、いまいちよく分かっていない星羅は首を傾げている。

全く、なんで分かってないんだよ。目を潤ませて上目遣いは良くない。

僕はそれを分かってて良く使うけど、星羅は気づいてないから危ない。

星羅も明流も僕と同じ顔してるんだから、可愛いってのを理解しないと。

まぁ明流は跳ね除けるだろうけど。

「コホン!僕も2人と会えるの嬉しいよ。

それに、この世界に未練はないし。まぁ、あいつらの事はこれでも仲間とは思ってるから何とかしてもらわないと困るけどね。」

会えることが嬉しいということを伝えると目に見えて安堵する星羅。

「 ふふふ、よかった!さて、時間がないわ。あの天使と守護者が導くはずよ。あんまり無茶をしないでね。私も準備するから行くわね。」

そう言って、姉の姿は見えなくなった。

「「さぁて、」」

「お家に帰るぞー♪」

「この世界とはさよならだ。」

鼻歌でも歌い出しそうな明流と神妙な面持ちの晴。

2人の姿はそれぞれから見えなくなった。




____________



星羅 「そして、私達の日常は・・・」


明流 「何か変わった?」

晴 「いや?」

星羅 「だって私たちは」


「「「示す者」」」



明流 「つまり、私達の日常はいつも通り。」

星羅「やっと、あるべき姿にもどっただけ。」

晴「ようやく、色付いた世界になっただけ。」


「「「ただ、それだけ。」」」





✄------キリトリ------✄


こんにちは、ひなです!

第2話、いかがでしたでしょうか?

今回のお話は不思議な3つ子の登場でした(* ´ ꒳ `* )

因みに、プチ情報ですが・・・

晴の名前は本当は晴美です!

2人からは晴と呼ばれてるので、今回はちゃんとした名前は出てきませんでした。


今後、登場人物が増えるので・・・

増えるので!!


ひと段落した辺りで、登場人物や世界観なんかを纏めて、書き出したいと思います。


フォロー・応援・★・レビューお待ちしてます!


次回、第3話 「始まりの始まり 夜」


どうぞ、お楽しみに!




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