●さて、理知な双の子は死を願い ……♂

 時は不可逆だ。

 一瞬でもそれは確実で、徹底的で。

 哲学的な理論などどうでも良かった。

 ただ僕にはそれが全てで、絶対だった。


 十二月十日。

 僕の忌むべき誕生日。

 あの日、マユは僕に花をくれた。

 白くて綺麗な美しい、マユのような花だった。

 そうして僕は、凍り付くことになる。

 その花を知って。

 その花を分かって。

 その花を悟って。


 僕は未だに問う。

 何故、彼女は死んだのか。


 そしていつも答えは同じ所に行き着く。

 僕が、殺した。

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