次の日、僕らは軽く先生に怒られた。

先生は風邪が全快していないらしく、怒る元気も無いという事みたいだ。

でも僕のこの小さな勇気が変化を与えたらしく、前田さんのイジメはピッタリと無くなり、女の子のグループに前田さんの姿があった。

男子も前田さんに話し掛けていた。

そして何より、山本が転校したのだ。

ボスが不在という事で前田さんをイジメる事自体が消えたのだ。

万々歳だった。

これで良かった。

来年は僕も前田さん中学三年生だ。

受験だ。

クラス替えもあるだろう。

離れ離れになってしまうけど、僕は勇気を出して良かった。

遠くから前田さんが困った風に笑っていた。

僕はそれを見て、少し泣いて、欠伸をして誤魔化した。

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