第4話 公園

熱々のコロッケは、もう既に冷えているだろう。

コロッケの魅力は冷めても美味しい所だ。

など、言える筈も無く、熱々のコロッケの方が美味いに決まっている。


コロッケ屋のおばちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいだ。

帰り道、僕に余力があるなら購入を検討しよう。


さて、随分と随分と回り道をしてしまった。

自分の中に嘘を嘘で塗り重ねてしまった。


この公園に何度、足を運んだんだろうか?

けど、今になっては足を運んだ事が大きな罪に感じてしまう。


僕の犯した罪は彼女を愛した事。

彼女に愛された事。

愛が罪になる。

人が人生の中で何度、罪を愛を繰り返すんだろうか?

秋の夜空を見上げても答えはない。

あるのは、寒々しい綺麗な星空だけだった。


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