第10話 イカサマ
「それじゃあ始めようチップはお互い6枚でいいかな?」
「ああ構わねえよ」
オオカミは自分とカズの場にチップを置く
「それじゃあカードの確認をしてくれるかい?」
オオカミはカズにトランプを渡す
カズはトランプを確認しオオカミへ返した
「…変なところはないな…だが何で確認させた?」
「何かあった時にケチつけられても困るからね、これでお互い平等だというのがわかっただろ?」
「…………」
「それじゃあカードを配ろう…カズへ…私に…カズへ…私に…カズへ…」
するとカズが
「待ちな…まさかそんな手が通じると思ってんのか?」
「一体何のことだい?」
「てめえ…上からニ番目のカードを俺に渡すつもりだったろ」
カズが指差すと上からニ番目のカードが少し飛び出していた
「セカンドディール…上からニ番目のカードを相手に配るイカサマさ…お前の手札は…10のスリーカードになるわけさ…違うか?」
「…参ったな…さすがはヒトだよこんな小細工は通用しないか…」
「これじゃ勝負にならねえな…さてどうするかね…」
ガチャ
「オオカミさん、カズさんじゃぱりまんを持ってきましたー」
部屋にアリツカゲラが入ってくる
「…アリツカゲラにやらせるか」
「え?何の話ですか?」
カズはアリツカゲラに事情を話した…賭けについては黙っていた
「わかりました、このカードを配ればいいんですね?」
「ああ頼むぜ」
アリツカゲラはカズとオオカミへ5枚カードを渡した
お互いにカードを確認する
カズのカードは…
(4のワンペアか…)
「二枚チェンジ」
「はい、わかりました」
(これで4と8のツーペア…さてあいつはどう出るかな)
「私は一枚チェンジで」
「はい」
「レイズだ」
カズはチップを一枚出し
「それじゃあ私も」
オオカミも一枚…
少しの沈黙の後…
「「コール」」
「俺は4と8のツーペアだ」
「私は3と4のツーペア…私の負けだ」
カズはチップを6枚取る
「私のチップは残り3枚…次で終わりかな?」
(これで疑われることはなくなったはずだ…あとはこのまま…)
オオカミはアリツカゲラに目で合図を送る
アリツカゲラはそれに対し目で答えた
「それじゃあ次のゲームだ…アリツさんカードを配ってくれないかい?」
「はいわかりました」
アリツカゲラは再びカードを配る
(さあ…悔しがる顔と君の隠したがる過去を私に教えてくれ)
オオカミはニヤリと笑う
(何だあの余裕は…まさかイカサマでも…まさかな)
「…2枚チェンジだ」
アリツカゲラはカズから二枚受け取り二枚のカードを渡した
(チッ…ブタか…今回は降りるか)
「私も二枚頼むよ」
「悪いが今回は降りるぜ」
カズは手札を公開した
「ふふふ…ブタか…私の手札はこれだよ」
オオカミのカードは…
「キングとクイーンのフルハウスか…チッ…ほらよ二枚取りやがれ」
オオカミはチップを取った
カズ 残り7枚
オオカミ 残り5枚
(さあここからが本番だよカズ…)
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