第18話 女子会

 なんだか、今日は両家ともに工事がない。

 さら地になって、見晴らしのいい場所に我が家がポツン。なんか、面白いなぁ。

 でも業者の人が来てるけど、重機が入る予定はなさそうだ。

 まだまだ下準備というところのようで、境界線のブロック塀を作ったりしている。

 なので、今日は家に居ます。

 たまったコラムを書いていたけれど、ファミレスの雑踏もなかなか良かったなぁと。

 そういえば、朝のモーニングの常連の中に、毎日同じ会話を成立させているグループがいた。

 病気自慢。というやつだけども。まぁ、見事にみんなの会話があっていなかった。それでもほぼ毎日同じ人たちで集まって食事をしている。

「田岡病院?」

 あたしも行きつけなのでそれで耳に入ったのだけど。近所の個人医院で、最近大先生から若先生に代替わりをしたが、若先生がハンサムなので客(患者と言えよな)が減らない。

「あたしもね、あそこに行ってんだけどね、血圧の」

「もうね、塩分が高いって怒られてね」

「関節が痛むって言って、薬くれるでしょ、あそこ」

「若先生、若いねぇ」

 成立しちゃった。

「骨山整形ね、あそこは良いわよ」

「そう? あそこの機械痛いわよ」

「シップたくさんくれるねぇ」

「運動しろっていうからやったら、関節痛めちゃった」

 すごいぞ、会話になってないのに、みんな頷いてる。

 どうも、あのくらいの年になると、いらぬ接続詞や主語や述語は取っ払っても会話として成り立つようだ。すごいなぁ。

「孫がね、高校生でね、」

「うちの息子ね、一人もんなのよ、バツイチ、嫁がひどかった」

「パイナップル酸っぱいね」

「関節が痛いからね、軟骨食べようと思うけど硬いわ」

 初めて聞いたときは、ど、ど、どうした? と思ったけど、毎日、ほぼ同じ会話なので、おかしくて、おかしくて。それでも、そうやって会話して食事していることでなんだか楽しそうで、いいんじゃないかな。

 なんか、年とっても、女子会やって、意味不明だけどしゃべって、いい関係じゃない。

 ちょっと、友達に連絡したくなったなぁ。

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