第13話 え、え、ええええええ?

 両隣の取り壊しが終わった。

 うちってこんなに風通しよかった? 日当たりめっちゃいいじゃん。とか思っているのもあと数か月。あっという間に家が建って、以前と同じになるんだろうなぁ。今のうちに、家じゅうの日焼けだぁ。

 と窓を開け放ったけれど、地鎮祭後すぐに何やら工事が。

 地鎮祭して明日から工事はいると思っていたので、思惑外れた。

 どうしようと思いながらも、やっぱり、ドリルの音で頭が揺れるので逃げてきた。

 家は、信じられないほど日が入ってて気持ちよかったのになぁ。

 しかたない。といつもの席に落ち着き、カバンから、フェイクの通信教本を取り出していると、後ろの六人掛けに座っていた人たち。入ってきたときから気になっていたけれど、面白い座り方するなぁと思って。

 一人に対して、目の前三人が並んで座ってる。なんかの面接なら、一人で座ったいる人は真ん中に座るだろうに、端に座っている。いったいどういう人たち?

 と思いながら、一応、注文が届くまでは会話という会話なんかせず、ただ、一人で座っている、山本さん(仮名)は少々困惑しているようで、あとの三人、山本さんの知り合いらしい赤坂さん(仮名)に、説明を求めているが、赤坂さんは、ご飯が来てから、とはぐらかしているようだった。

 料理が運ばれて、では、と赤坂さんが口火を切り、

「こちら、あたしのお友達の、井上さん(仮名)と、梅原さん(もちろん仮名)」

 と紹介されてもどうなんだ。と思うような雰囲気。ドリンクバーで何やらしているていでのぞく限りでは、山本さんはこの状況を全く聞いていなかったようだ。

 一応、あいさつらしい感じで山本さんはうなずいたが、井上さんと梅原さんに「仲良くなる気はないの」という感じがにじみ出ている。

 仲良くなる気はないのに、なんでいるんだろう?

 四人は、ただ黙々と食事を始めた。

 山本さんは何の嫌がらせか。と思いながら食べているので、おいしくなさそうな顔をしている。ただ、目の前に座っている三人はごく普通に食べているのが、本当に奇妙だった。

 あたしが最初に居れたカフェオレがなくなり、もう一度入れに行くついでに、

「今日は、ドリアって気分」

とバイト従業員の四方よもうさんに頼んだころ、四人は食べ終わり、食後は何する? という言いながら井上さんと赤坂さんがメニューを広げた。

「いや、私は良いです」

 遠慮したのは山本さんだった。

「どうしてぇ? これから話すんだから、何か食べましょ」

 その状況で一体何を話すんだ? と思いながら、山本さんは苦笑いを浮かべた。

「ところで、もう、保育園は慣れた?」

 赤坂さんの言葉に山本さんは、一応。と返事をした。

 保育園デビューしたママ友のようだ。ほかの二人も? にしては、会話には入ってこない。

「最近保育園は入れないから大変じゃなかった?」

「まぁ、」

「うちは生後半年から入れているからあれだけど、年少さんとかだと大変だよね」

 山本さんが頷いたかしているのだろう。かなり警戒している。そりゃそうだ。保育園のママ友だと思って、最初の友達になれると思ってきてみたら、見知らぬ二人が居る。それが同じ保育園のママさんならいざ知らず、誰やねん。という相手ならなおさらだろう。

 赤坂さんは一人で保育園の話をしていたが、井上さんがみんなで食べましょ。と言って、とりわけできる贅沢イチゴ祭り。なるデザートが来て、それを取り分けた後で、それが急に来た。

「ねぇ、宗教って興味ある?」

 え、ええええええ?

 盗み疑義していたあたしが声でそうだったが、言われた山本さんはもっと驚いたようだ。

 確かになんかの勧誘か、怪しいものを売りつけられるか、そういうたぐいだろうなぁとは思っていたが、宗教? 宗教の勧誘って、ファミレスでするもんなんですか?

 あまりにも驚いたので、あたしはウーロン茶を取りに席を立った。


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