第5章


【主人公 視点】

 僕達三人(僕、煉、エレシア)は「二ノ国」を目指した。


 旅の途中、煉とエレシアは言い争っていた。


煉「良かったのか?今なら、おじさ…」

エ「良かったの!何度も言わせないで!このダメ男!」

煉「…んだと!このワガママお嬢様!」

僕「二人共、やめようよ」


煉&エ「悟は黙っていろ(黙っていて)!」


僕「…(どうして、僕が責められなくちゃいけないんだろう)」


僕は一人で先に行く。するといつも…

煉&エ「ごめん!さっきは悪かった!」

僕「…そう思うなら、最初からやらなければいいことだよね?」

煉&エ「うっ…」

僕「なんで、喧嘩するの?(本当に、どうしてなの?)」

煉&エ「ご、ごめんなさい!」

僕「もういいよ。(やっぱり、教えてくれないんだな…)」


 また、僕は先に行く。ところが…



《魔物の群れがあらわれた!》

ちっ、また『邪魔された』な…


《コマンド?》

 戦うしかない。ここで身を引く訳にはいかない。


煉「俺達も戦うぜ!」 エ「分かってるわよ!」

僕「…(優しいな、二人とも。僕は得意魔法が使えないから…)」


《たたかう》

僕「えいっ」

《悟の攻撃。スライムAに3ポイントのダメージ!

スライムAを倒した》

エ「次は私よ!喰らいなさい!」

《エレシアの攻撃。スライムBに5ポイントのダメージ! スライムBを倒した》

煉「最後に俺だな」

《煉の攻撃。スライムベスに11ポイントのダメージ!

 スライムベスを倒した》


《魔物の群れを倒した!

 悟はレベル3になった。力が1、素早さが2上がった。

 エレシアはレベル8になった。賢さが3上がった。

 エレシアは【ケアル】を覚えた。

 煉はレベル11になった。防御力が2上がった。

 煉は【フレイム】を覚えた。

 マジックポーションを拾った》



エ「全く、この辺の敵はうざったいわ。スライム以外はいないのかしら?」

僕「スライム以外が出てきたら、僕は逃げるよ」

エ「なんで!」

僕「…いや、だって…」

エ「はっきり言いなさい!」


僕「これ以上、僕のせいで人が死ぬのを見たくないんだ」

エ「!」


煉「やっぱり、そうだろうと思ったぜ…」


僕「!(気付かれていた…?)」



煉「…『悟』さんよぉー。アンタ、何しにこの世界に来たんだ?」



僕「…(…バレたか)」

煉「いや、そんな表情(かお)するなって。俺は、悟のことを知りたいだけだ。どうだ?教えてくれないか?」

僕「嫌だと言ったら?」

煉「二度と聞かない。約束するよ。その代わり、俺達は悟にとって信用できない仲間なんだなと思うだけ」

僕「…分かった。話すよ。僕のを…」









 僕は、話した。




僕の本名、元の世界の話、


……交通事故で両親を亡くしたこと。








そして…ティルという不思議な女性について…。





僕「―――それで、ティルとは別れたんだ」

煉「話してくれてありがとう******。

  やっぱ、呼びにくいから悟でいいか?」

僕「うん。。。その方がいいよ」

煉「いや、綺麗な名前だから俺が呼ぶにはもったいなくて…」


僕「綺麗?僕の名前が?」

煉「ああ…、亡くなられた御両親の墓標に御挨拶したい程な…。ところで、悟。クレスに俺いたんだけど」

僕「えっ!」


煉「まさか衛兵に追われていたのが悟だったとは思わなかったよ」

僕「うん、大変だった…。しつこいし…」

煉「俺もあの時、急に門が閉鎖されるから驚いた」

僕「ご、ごめん…」

煉「悟のせいじゃねーって。そのティルって奴のせいだからな。悟は被害者なんだから…自分を責めるなよ」



エ「ちょっと話がずれるけど、そのティルっていう女性について、本当に何にも知らないの?」

僕「ティルは、優しい女性だった。でも、豹変したんだ」

エ「それって、アンタに原因があるかもよ」


僕「え?(何かあったっけ?)」

エ「だって、最後まで彼女の話を聞かずに勝手に自分で『僕のことなんて誰も分かってくれないんだ』と思って逃げた訳でしょ?」


僕「そうだけど…。あっ…!」

エ「やっと気づいたの?もー、遅いわよ…。私はさっきの話を聞くだけで彼女の気持ちが分かったわよ…」


僕「そうか…だから彼女は…」

エ「あなたを追った。違う?」


僕「…彼女を怒らせたのは…僕だ」



エ「ちょっとー、煉に聞いていいかしら?」

煉「なんだよ、エレシア」

エ「その場にいた衛兵さん達は彼女のことどう呼んでいたの?」


煉「確か…。あっ、そうだ!それだよ!それを俺はずっと言いたかったんだ!」

僕&エ「なんて呼んでいたの?」


煉「知識の女神。彼女はそう言ってた」

エ「知識の女神…つまり、万物を識る者なのかしらね?」



僕「バンブツって?」

エ「そうね…。簡単に言うと、…とでも言えば分かるかしら?」



僕「…っていうことは!」

エ「そう、彼女はあなたに嘘をついたのよ……!自分がいつだって勇者の傍にいられるように…!!」


僕「じゃあ、彼女は今…!」

エ「きっとこの近くにいるはずよ…あなたを追うことを彼女が止めるわけがない!」

煉「ひょっとすると、高みの見物でもしているのかもな…」









?「御名答」

三人「!」



?「貴方が逃げた時は驚きましたよ、******」

僕「ティル!」


テ「しかし、仲の良さそうな御友達が出来ましたね」

煉「悟、エレシア、逃げろ!ここは俺が食い止める!」

僕「煉!」

エ「行くわよ!悟!あんな女性に捕まっちゃダメ!」



テ「勘違いされているようですが、何も******を連れ去るつもりはありません」



三人「え?」

テ「******、これを…」




 悟は、魔導書と謎の羽ペンを貰った!




テ「では、******の事、頼みましたよ…」







 ティルは消えた…。

僕「結局、何がしたかったんだろう…」

煉「さあな…。勇者の仲間になれってことじゃないかな」


僕「!(そうか…僕は一人じゃないんだ!)」


煉&エ「これからもよろしくな(よろしく)、******」

 こうして、彼らの旅は始まった!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もし、僕が架空世界での主人公だったら 紅玉 @gamma-Crateris

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る