(^ρ。)

 ガラス窓の内側に、室内と室外の気温差によってできる白い水滴が、薄い膜を作っては、すりガラスの様に外の景色を背無くする時分、いかがお過ごしでしょうか?




 タカシです。






 とりあえず、情報を引き出す為に、バッテリーの続く限りの会話を試みます。


 わかった事。

 その一、名前がユーリーと。

 その二、集める?収穫する?変換不可の言葉

 その三、電話?

 その四、掴む?捕える?

 その五、変換不可の言葉の羅列?



 う、うーん……さっぱり意味が分かりません。

 とうとうバッテリー切れたスマホの翻訳機で分かった言葉といえばこれぐらいでした。


 あと、ぱっと見だと、背後にあるナニカに捕まった事を、電話でどこかに連絡しようとしていたのでしょうか?



 ただ、背後にいる上半身から上だけ、壁にめり込むように存在するのは……嫌悪感がとてつもなくわいてきます。


 ハバリさんが観測するに、この背景は"異なる世界の神に連なる、神格を持ったナニカ"だそうです。



 と、ハバリさんの見解で、そういうナニカだというのはわかりましたが……どうすればよいのでしょうか?



 神格を持ったナニカですか……

 しかも、異なる世界の……すごく嫌な予感しかしません。



 ハバリさんも"下手に刺激をして、この世界にどう影響を及ぼすのかが読めん。厄介なヤツを呼び出してくれたわ"と、愚痴ってくるレベルです。


 それに続いて、今もあの神に連なるモノの世界化、つまり自分たちからしたら異界化している空間が広がりつつあるそうで、それでも何とか抑え込んでいるのは、あのユーリーさんのおかげでもあるだろうとの事です。



 実際、そのハバリさんの剣で何とかならないかと聞いてみましたが、"斬る事は余裕じゃな。ただそうすれば、還す事が出来ん"という事です。


 こういった、自己中?の神様モドキの輩は、元の場所に"還す"のが後腐れもなく物事が収まるとの事ですが、元の場所にどうやって還すのかが、てんで分からないとの事だそうです。



 そして、何か手がかりがないかとハバリさんと一緒に、周囲を見渡したりで、探しては見ていますが、それらしい手がかりすらなさそうです。



 さらに不味い事に、ユーリーさんが依り代となって何とか抑えている感じとの事ですが、人では簡単に抑えられるモノでもないのに、それを無理やりに抑えている感じとの事と、それも、そろそろ限界がきそうである感じとの事です。



 どうしたものかと思案にふけますが、悠長にそんな事をしていたら、ユーリーさんの精神と体力が持つとも思えません。



 先ほどから、どこかしら辛そうにされており、ハバリさんも"神に連なるナニカの精神汚染され蝕まれておる……このままでは、人としての人格も壊され……傀儡と化してしまうかもしれん"と、




 どうやら、一刻の猶予もない状況みたいです。




 どうしたモノやらと困りはてていた時、ふと、自分のポケットにしまい込んでいたモノが光っているのに気づきます。


 そういえば、レイさんが家に置いてあったを、何かがあるかもしれないので、お守りとしてと肌身離さずもっていてほしいと言われて、あの業界に入ってからはお守り風にもっていましたっけ。


 その玉が、今までこんな雰囲気を出してきた覚えはなかったのですが……


 しかし、ハバリさん曰く、それは異界のモノ、つまりこの世界とは違うモノの為、これを介して異界への門を開けば、上手く行くかもしれんとの事で作戦会議です。


 1:ハバリさんが陣と印を構築する。

 2:ハバリさんが繋がりを断ち切る。

 3:自分があのユーリーさんを引きはがす。

 3:この玉を相手に飲み込ませる。


 飲み込ませるのは自分の役目、印の意地にハバリさんが手が出せなくなるからとの事と、この紫色の玉は、自分の近くでないと発光しなかった事が確認できたためです。



 一刻の猶予もないので、さっそく作戦開始です。



 あやかし案件のせいか、今まで経験したこともないとてつもなく嫌な警告的な気配や気分がしますが、度胸はついてしまったのか、無理やりにこういう事が出来る感じがします。


 それに、こちらの意図を察してくれたのか、ユーリーさんが最後の気力か、抑えてくれているので近づくのはたやすくできただけなのですが。


 そして、さらにとてつもなく嫌な予感が増えてはきていますが、これをしなければならないのならばと、そして、ユーリーさんをしっかり抱きかか……


 その時、背景だったはずの顔の目が、いや、目が口で、口は目で、口に目で、目の口で、あがあtte  



 "いかん!!!"











 ‥‥‥……




追伸:

 ……

 …………

 ……

 ………

 …

 ………

 ………………



(^ρ。)






































「大丈夫だよ、パパ。

 うん、そう、左手にこう……を懲らしめるように、ぎゅーっと握りこんで」


「主殿、もう少し右です。はい、その位置あたりで」


「ママのいった所に、思い切って……バーン!って、やっちゃえ!!」


「いまです!!」




      パァン!!!



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