EP4:お約束系?ふぁんたじー
お約束系ふぁんたじー( )
朝の早いころ、河川から白い水蒸気が立ち込めては、空気と液体の寒暖の差を知らせてくれる季節、いかがお過ごしでしょうか?
タカシです。
玄関のドアを開け閉めするたびに、色々な世界がコロコロと変わっていく様は、いかがなものかと思います。
そして、自分のとっていた奇怪な行動を、体操が終わったテールが目撃するや否や"テールもするー!"と目を輝かせてながらダッシュで近づいてきては、扉を勢いよく開け閉めしはじめました。
が、テールが開け閉めすると、通常のアパートの通路と夜の街並み世界が広がる光景にしかならなかったため、"つまんない・・・"といって不貞腐れ始めました。
仕方がないので、自分が再び扉を開閉すると、そこにはいろいろな世界がふたたびあらわれていきます。
その変わる世界にさらに目を輝かせては、"もっかいやって!もっかいやって!!"とはしゃぐテールにつられて、数回ほど開け閉めはしたと思います。
これらの事で分かった事といえば、どうやら、自分の手で玄関の扉を開ける事がキーになっている模様です。
こうなってくると、"玄関以外に問題は無いのか?”という疑問と不安にかられ、それらを確認するべく、玄関とは正反対の位置になるガラス窓を開けてみると、あたり一面に青い空を、すぐ傍には白い雲海が広がっては、澄んだ風を肌で感じさせてもらいました。
それよりも、"くーもーー!!"と、はしゃいでいるテールが、小さな手すりを乗り越えて、落ちないようにするのに必死でしたが。
扉や窓という概念がいけないのか?と、今度は押入れのふすまを開けてみると、こちらは普通に押入れを確認しました。
トイレはやめてくれよ・・・と、不安に駆られましたが、どうやらトイレと風呂場のシステムバスはセーフでした。
やはり、外との扉や窓に限定されるのか?と思っていたら、レイが"床下の空間が変化しておるぞ"と、伝えてきました。
床下、つまりは畳の下か?と、中央のタタミを一枚めくってみると、その先にあったのは、金属の壁の部屋?椅子も何だかハイテクっぽいような・・・そして、ガラスの向こう側は宇宙空間・・・みたい・・・な?
・・・
・・
・
"よし、これは・・・無かった事にしよう。"と、そう決断しては、そっと畳を元に戻しておきました。
宇宙の開拓の歴史に名を刻むという事にならない方が良いに決まっています。
そうして、"元に戻ったみたいじゃよ"という、お墨付きもあり、一難はさった模様でした。
さて、検証の結果、自分から外界、つまり部屋から外につながるなんらかのモノを開閉しなければ問題ないといったとこでした。
とりあえず、テールに扉を開けてもらって買出しを済ませてくるかと、留守番をお願いしては、レイに面倒みてほしいと頼んで出かけました。
業務用と書かれてあるスーパーのお店に設置されている自動ドアでは、外界だろうが影響がなかったのは幸いでした。
そうして、タイムセールで割引になっている弁当と、お茶に紙コップと、お箸は無理そうだから、スプーンとかかな?と、若干の日用品も一緒に買い込んでは、嫌な雰囲気を感じたところを迂回する恰好で、かなり遠回りで帰ってきました。
ちょうど、自身のお腹が軽く鳴り、"二人ともも、腹すかせてるだろうなぁ"と思いつつ、いつも通りの無意識な形で玄関を開けて部屋へと一歩はいりこむと
いきなり落下する感覚を覚えました。
敬具
追伸
"主殿、無事か・・・?!" "パパ!大丈夫?怪我してない?"
そんな二人の声が聞こえてきては、気が付きました。
たぶん、レイの明るい服のおかげなのか、周辺の状況が見えてきます。
カビ臭く、ホコリ臭いので、どこかの人のいない建物の中といったところ・・・
・・・?!
はっきりと視界に入った二人をよく見ると、
一つは明るく光る小さな妖精の恰好をした存在と、
もう一つは、こちらを心配そうに見つめている立派な双丘を携えた、
獣耳と多品種の尻尾をつけている、よくある獣(割合が高い)娘さん、
そして、二人の間の空間に浮かび上がってる、
('A`):今度はお約束系ファンタジーか・・・
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