少年期[616]夜は爆睡

リビングデットジェネラルが率いるリビングデットナイト軍団を倒し終え、ゼルート達は戦って戦って戦いまくった。


勿論、しっかりと探索は進めている。

しかし……それ以上に一階層から四十階層までと比べて、戦闘回数が増えた。


ゼルートやアレナも戦っているが、ゲイルやルウナの戦闘回数が圧倒的に増えた。

四十階層まで降りれば、それ以降に現れる敵はそう簡単に倒せはしない。


動きを見極め、魔力操作は的確に行ってようやく一撃で倒せる。


実質Sランクに片足を踏み入れているゲイルであっても、油断して良い階層ではない。


なのだが……二人は特に嬉々とした表情で魔物を倒し続けている。


「いや~~~……二人共凄いな。スタミナが並以上のあるのは知ってるけど……全然バテないな」


「ゼルート的に言えば、アドレナリンがどばどば出てる状態じゃないの?」


「はっはっは!! 確かにそうかもな」


四十一階層に突入してから二日が過ぎたが、ルウナは就寝時間になると二人よりも早く……早寝の達人であるの〇太君よりも早く、一瞬で夢の中へと落ちる。


ゼルートもアレナもそこそこ……ではなく、魔物と遭遇すれば逃げずに全て戦っているので、他のパーティーと比べて戦闘回数は多いので、疲れは溜まっている。


「ルウナはあんなに飛ばしていて疲れないのかしら」


「……疲れていても、ある程度強い敵と戦えるのが楽しいから、疲れなんて吹き飛んでるんじゃないか?」


「あり得そうね。それにしても……ラームもラルも元気よね」


人型でも無数の触手を生み出せる。

そして肉弾戦や魔法も使え、更に他の魔物の体の一部を使うことが出来る。


(未知の魔物と出会うのはラームにとって戦力アップに繋がる……そう考えると、ラームにとって新しいダンジョンの探索は自身の戦力を増やせる宝庫かもな)


ラームはゼルートと同様に一人で何でも出来てしまう、万能型。

物理攻撃、遠距離攻撃、索敵、回復……全てを一人でこなせてしまう、異次元の存在。


(ラーム一人でダンジョンを攻略するのも、決して不可能じゃないよな……ホーリーパレス並みのダンジョンだとちょっと厳しいか? ラームも家を出る前と比べればレベルは上がってるから身体能力も魔力量も向上しているけど……)


確かにラームは強いが、五十階層以降の魔物の中にはラームを一瞬で倒せる最大火力の攻撃を有している個体も存在する。


(ラームがそう簡単に倒されるとは思わないけど……でも、三十階層ぐらいのダンジョンなら一人で攻略出来るだろうな)


ソロでダンジョン攻略……普通に考えれば頭がおかし過ぎる。


どんなに強い冒険者であっても、睡眠は必要だ。

それは人外的な実力を持つゼルートも同じ。


だが魔物であるゲイルたちは、そこまで睡眠を必要とはしない。

それに加え、人よりも敵の接近に敏感。


野性の中で生きてきたゲイルたちにとって、敵の気配に気付くというのは生きていく上で最重要なスキル。


「ラーム達なら……一人でダンジョン攻略出来そうだよな」


「……普通なら否定する言葉でしょうけど、三人の力を考えるとねぇ……解体が出来て、軽い料理なら作れる。それに探索スピードが他の冒険者と比べて圧倒的に速くなる。そうなれば必然的にダンジョンを攻略する日数が短くなる」


「下に繋がる階段の位置さえ覚えていれば、一週間も掛からず攻略しそうだな」


「ダンジョンの階層数にもよるでしょうけど、決して不可能な話ではないわね」


アレナも十分に強者ではあるが、それは無理だと解っている。


だが、ダンジョンには面白いギミックがある。

一階層に入ってから何日以内に攻略、何人以下で最下層のボスを倒す。


そういった条件をクリアすれば、普通は手に入らないアイテムが手に入る……可能性がある。


どのダンジョンにも適応される訳ではなく、適応されるダンジョンであっても、絶対に例外の宝箱が現れる確証はない。


(でも……そういった宝箱に大抵、上等な物しか入ってるのよね……冒険者として、それはとても燃える展開)


一人でダンジョンをクリア、最下層のボスを数人で討伐。

ベテランでも難しい内容だが……アレナにはそれが出来る可能性がある。


(あれ、なんか急にアレナの眼にやる気の炎が宿ったような……やっぱりアレナにとってダンジョンは気分が上がる場所だよな)


その考えは遠からずも、当たっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る