少年期[573]一周回って冷静に
「げほ、げほ……ちょと待て、それってマジのマジか!?」
「おう、マジのマジだ。なっ、アレナ」
「えぇ、本当にソウルコネクトを使っていたわ。どう考えても、三十階層のボスとしてのレベルを超えていた。それは確実ね」
ホーリーパレスの難易度を考慮しても、ソウルコネクトを使用したリビングデットナイトと上位種のリザードのタッグは異常な強さを持っていた。
サイクロプスと同等かそれ以上のダンジョンイレギュラーと言えるだろう。
「そ、それは……本当にゼルート君達でなければ多くの冒険者達が被害に合っていたでしょうね」
ソウルコネクトを使用する魔物は殆どおらず、それを使用する場面を見たことが無い冒険者が殆ど。
だが、使用者の身体能力を上昇する代わりに命をリンクする。
その効果だけでどれ程の性能を持つのかが伺える。
「どうだった、やっぱり手強かったか?」
「手強かった……まぁ、いきなり身体能力が上がったからちょっとびっくりはしたな。元はCランクの上位ぐらいだったのがBランクの中位から上位にランクアップした感じかな?」
「Bランクの中位か上位……俺らからすればマジで化け物だぜ、なぁ」
「そうですね。絶対に自分達のパーティーだけで挑もうとはしませんね」
Cランクの中でも上位の実力を持つ二人でもBランクの魔物に挑もうとは基本的に思わない。
討伐報酬が魅力的であれば話は変わってくるが、それでも念には念を入れて準備を行う。
「大したもんだ、本当によぉ~……それで、流石に明日は休みか?」
「……とりあえず一日休んだらすぐに潜ろうかなって思ってる」
「おいおい、流石にもう少し休んでも良いんじゃないか? そりゃお前達の実力なら問題無く進めるかもしれねぇが、体は案外疲れてるもんだぞ」
デリックの言葉は冗談では無く、街の外で魔物を狩るのとダンジョンの中で魔物を狩るのとでは精神の疲労具合が変わってくる。
なので、ダンジョンから戻ってきた冒険者達はよっぽど実りが少ない時以外がしっかりと休養を取っている。
「いつもそんなペースでダンジョンに潜っているのですか?」
人には人のペースがある。
ダンジョンを探索するのにも個人差、パーティー差があるのでオーラスはあまりツッコむ気はなかった。
「いや……ちょっと依頼を受けててな。その頼まれてる素材の為に結構速足で下に降りないといけないんだよ」
「……それは、どんな素材か聞いても良いか?」
「あぁ、別に構わないよ。聖魔鋼の入手が依頼内容なんだよ」
「・・・・・・はっはっは、何から何までぶっ飛んでるな」
「そうですね、デリックの言う通りです。ホーリーパレスには初めての攻略なんですよね」
「おう、今回が初めての探索だ」
ゼルートの発言に二人は静かに驚いた。
サイクロプスに遭遇した、リビングデットナイトと上位種のリザードのタッグが二体現れ、しかもソウルコネクトまで使用した。
それだけで十分な仰天内容なのだが、初めてホーリーパレスに挑むための内容が六十階層のボスを倒した時に得られる宝箱に稀に入っている聖魔鋼。
二人は一周回って冷静になっていた。
「この前オークションに参加したんだけど、そこで結構レアな聖剣を手に入れたんだよ」
「ほぅほぅ。それはラッキーだな。ゴースト系の魔物には有効打だからな」
「そんでそれを狙っていた貴族の子息がいたらしくてさ、色々あって正式に指名依頼を受けて聖魔鋼やその他の素材少々を渡すことになったんだよ」
面倒な部分を適当に説明したが、それでも二人はなんとなくその時の状況がつかめた。
(最初はしっかりと金を払うから、その聖剣を売ってくれとか頼まれたんだろうな)
(傲慢な貴族であればよこせと言ってきそうですが……しっかりと交渉しているのを考えるとおバカな貴族という訳ではないようでうね)
貴族が皆傲慢だとは思っていないが、面倒な存在と認識している二人からすればゼルートにご愁傷様と言いたくなる。
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