少年期[273]厄介な問題
ゲイルから連絡が入ったゼルートは直ぐに折り返えす。
『おう、どうしたんだゲイル。何か問題でも起こったのか?』
ゼルートは軽い冗談のつもりで訊いた。
仮にもし問題が起こっていたとしても、ゲイルなら大きな騒ぎになる事無く片づけられると思っている。
『・・・・・・申し訳ございません。言葉通り問題を起こしてしまいした』
ゲイルから考えていた答えと真逆の答えが返ってきたため、思わず座っていた椅子から転げ落ちそうになった。
従魔の中で一番考える頭を持っているゲイルが問題を起こしてしまったという事実に驚くも、ゼルートの頭は少しづつ冷静になっていく。
『・・・・・・・・・・・・お前の声からして自分達が全く敵わない敵に遭遇したとかじゃないみたいだな。う~~~~ん・・・・・・もしかして、貴族絡みか』
『正確に言えば少し違いますが、概ね間違っていません』
『あ~~~あれか、もしかして貴族の私兵に討伐されそうな状況・・・・・・って訳でもないか』
ゲイル達は見た目を人族の様に変える事も出来るが、元はモンスターなため事情を知らない貴族からすれば敵対行動を取るのも無理はない。
そうゼルートは思うが、真相は違う・・・・・・というよりは真逆だった。
『はい。現在敵対行動をは取られていません。いや、大半の者からは警戒されているのですが、事情を知る人からは寧ろ歓迎されています』
『その言葉を聞く限り、お前とラームが道中でモンスターか盗賊に襲われている貴族を発見する。そこでお前たちがそのモンスターか盗賊を短時間で倒す。そしてその助けられた貴族からお礼がしたいと言われて現在世話になっている・・・・・・そんなところか? でもそれぐらいだったらそこまで問題とは・・・・・・言わないと思うぞ、多分』
ゲイルとラームがモンスターだとバレてしまったのなら一大事だとゼルートは考えるが、そうでないのなら大した問題ではないと思った。
『ゼルート様が予想された内容と殆ど同じです。ただ問題という部分は・・・・・・そのですね・・・・・・』
『ゲイル、別に怒ったりしないから正直に言ってくれ。じゃないと話が進まない』
『申し訳ありません。正確に言うと、モンスターから助けた貴族の令嬢に自分の護衛になって欲しいと言われたのです』
これまた予想外の一言にゼルートは固まってしまうが、直ぐに頭を横に振って余計な考えを捨てる。
『まぁ、お前が人化した容姿なら解らなくもないな、イケメンだし。実はモンスターだって事をばらした訳では無いんだろ』
『その事なんですが、中々に引き下がってくれない為私達がモンスターだと言う事を伝えたのです」
『・・・・・・・・・・・・マジでか?』
『マジです。ラルと一緒に一度モンスターの姿に戻りました。一度は生き残った貴族の私兵に刃を向けられましたが、自分達が助けられたという事を貴族の方に言われて渋々と言った表情で武器を下ろしました』
人からモンスターの姿に変化した様子を見た貴族の私兵達の行動にゼルートは納得出来、特に不快には感じなかった。
『なるほど・・・・・・待てよ。てことはだ・・・・・・その貴族の令嬢はお前とラームがモンスターだと解っても自分の護衛にしたいと言っているのか!!??』
『・・・・・・はい、その通りです。相手が特段悪徳な貴族という訳では無いため、手荒な真似が出来ないので現在その貴族の屋敷で世話になっています』
ゲイルからの最終的な報告を聞いたゼルートは大きく溜息を吐いた。
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