最終話~ミドル9~

春見:シーンを改めて、引き続き判定していくよ。同じく思い出の一品を使用して……(ダイスころころ)達成値は、15!

GM:12+15で合計27、成功だ!



情報EX:「雨夜の殺人鬼」事件について

 15年前、雨夜の殺人鬼として世間を騒がせた、連続通り魔殺人事件。

犯行は常に雨の夜に行われ、発見された死体は必ず体のどこかが切り落とされていた。

被害者は10人。犯行順に、「加賀 美祢」「佐崎 進」「佐崎 円」「遠藤 千秋」「香坂 恵子」「香坂 愛」「笠凪 順」「影裏 理」「影裏 結祈」そして──「影裏 結理」が犠牲となった。


最後の犯行で通行人に見つかり悲鳴が上がり、逃走。その後何者かと争い失神しているところを警察が発見、逮捕した。


犯行者氏名:薬島 陸

軍属だった彼は、軍隊式のナイフ術に魅了され、刃物全般が好きになった。

中でもお気に入りだったのは日本刀である。雨夜の殺人鬼として有名になった事件当時、骨董刀剣店から日本刀を盗み、自らの愛刀とするほどだ。


15年前、彼が誰と争って失神したのかは取り調べの際も黙秘しており、警察関係者は仲間がいたのではないかと疑っていた。

それゆえ、死刑判決が決まってからも長々と収容所に捕らえられる事に。

本人曰く、「知らない奴にやられた」との事。決まって言い辛そうに話すため、何かを隠しているのではないか、との見方が強い。

いずれにせよ、真相は未だ謎のままである。



春見:「はっ、はっ、はっ……」


 意識が朦朧とする中、やっとの思いで掴んだ想い人の死という名の絶望と、光明。


春見:「やっと……やっと見つけたよ。結理君──」


 しかし、身体が動かない。精神も、当に限界を超えている。

 でも、まだ。あの人が、あの時で待っている。


春見:「──ッ!」


 部屋に置いてあった鏡へ”眼”を、合わせる。


春見:「まだ、ここからでしょう?」


 鏡の中の自分の眼が──"約束の瞳"が光を集める。



「佐倉 春見の名を持って我が肉体に命ずる」


「私の好きなあの人を! 結理君を! 助けに行きなさいッ!」



 身体が悲鳴を上げる。精神も、視界も、バチバチと悲鳴を上げている。

 だが、それでも──


春見:「そうだ。私は……あの人を迎えに行くんだから」


 ──春見は、立ち上がった。


春見:「お待たせ結理君。遅くなっちゃったけど、今、行くからね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る