最終話~ミドル8~

 多くの文献を漁り、そして春見自身が持っている情報を整理する。

 そこから浮かび上がる影裏の死因を、あるいは既に春見は知っていた。

 影裏が死ぬ可能性が最も高かった瞬間。そして、いつか自身に明かされた秘密──。


春見:「やっぱり、これしかない。薬島 陸……。

 結理君が両親を喪った事件。あの状況が、最も結理君の存在を左右できる。

 なら、あそこに介入できれば──」



 情報項目EX:「雨夜の殺人鬼」事件について

 <意志> 20

 この情報項目はシーンを跨いで達成値を継ぎ足していく事ができる。



春見:思い出の一品を使用して、固定値に+1するね。(ダイスころころ)

 達成値は……12。《宵闇の魔花》を使ってもギリギリ届かない。



 長時間の調査により思考回路は既にショート寸前。立つのもままならない状態で、必死に過去へ、過去へと情報を遡る。


春見:「もう少し、あともう少し──っ!」


 ぼやける視界で食い入るように、事件の日の情報を精査していく。

 ふと、視界の端を解けかけたリボンが掠める。あの人がくれた、大切な贈り物。私とあの人を繋ぎ止める、形ある絆。

 それを、しっかりと結び直す。


「──結理君、力を貸してね」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る