第四話「戦いの軌跡」
第四話〜まえがき〜
えるみん:ねー、プラプロ作らないのー?
夏が過ぎ、そろそろ涼しくなり始めた頃。私たち双子は新しいテレビゲームを探してネット徘徊していた。パソコンにはゲームのトレーラーやらオープニングムービーやらが流れている。
だみ:そろそろ作りたいんだがなぁ。最後のピースが思い浮かばないのよなぁ。
えるみん:最後のピース?
だみ:うん。ぼかして言うと、攻め込みたい場所があるんだけどさ。肝心のその場所が決まらないのよな。攻めにくい所がいいと思うんだけど、そういうのを作るのってなかなか難しいもんなんだなぁって痛感してるとこ。
えるみん:攻めにくいかー。あれでしょ、"天然の要塞"とかそういう奴ー。
……別に天然である必要はないんだけどな? というか"天然の要塞"ってお前のコードネームみたいだな。
だみ:んー、まあ、うん。そんな感じ。
えるみん:やっぱりかー! 山の上とか、崖の上とか、そういうの! 普通の手段だと行きにくい場所がいいよね!
とはいえ、オーヴァードである彼らが行きにくい場所なんて……。
えるみん:あ! メタルギアの新作出てたんだー!
メタルギア。敵地に単身潜入して目的を達成する、簡単に言えばかくれんぼのようなゲームだ。
えるみん:PSP(昔の携帯ゲーム機のことだ)でやったよねー! 海上プラントを強化してったりしてさー! 面白かったなー。
だみ:──それだっ!
おもむろにパソコンの動画を閉じた私をえるみんが睨んでくる。ごめんよ、つい勢いで(目を逸らしながら)
だみ:ちょっと今からプラプロの続きを書かせて欲しい。次の話を思いついちゃったんだ。
えるみん:…………(じとーっとした目)
だみ:……アイス買ってあげるから。
えるみん:それなら許そうー。
ついでに私のも買ってきてくれないかなーと淡い期待を寄せながら、えるみんにアイスふたつ分のお金を渡し、スマホへと手を伸ばした。PLたちへ事前情報を渡すためだ。
二人には今回、敵拠点に攻め込んでもらう。場所は海の上──海上プラントだ!
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