第四話〜トレーラー&ハンドアウト〜

 かくして完成したシナリオを携えて、私はPLたちの前へとやってきた。


だみ(以下、GM):おはよう、諸君。朝食は食べたかな?

イズミユキ(以下、影裏):「サンドイッチと少量のコーヒーで済ませてきた。春見の弁当の方が美味かったが」

GM:なるほどね。それなら良かった。聞いた話だと朝ごはんには糖分がいいらしいよ。

影裏:「糖分か……低糖のコーヒーで最低限は採れてると思うが。……もうちょい甘いもんでも摘んでおくか」

GM:それなら糖分、ショ糖ってことでショゴショゴの煮付けを食べるといい。

影裏:「ショゴショゴ……?」


 怪訝な顔を浮かべる影裏。


GM:ショゴショゴっていうのはホラーに登場する怪生物で、見た人を──

影裏:「怪生物の煮付け……だと……」

misto(以下、春見):「おはよう。朝から何を食べさせようとしてるの……。私の目が黒いうちはちゃんとした物を食べてもらうんだから」

GM:……なお右目(ぼそっ)

影裏:ヤメロォ!(笑)


 PLたちも揃ったところで、話を本題に移そう。


GM:さて、お集まりいただいた時点でお察しかと思うが、シナリオ、出来申した! トレーラーとハンドアウトを公開するよ。

影裏:さーて、今回はどんなことになるんだ?

春見:見てのお楽しみだね。



▼トレーラー


 昨日と同じ今日、今日と同じ明日。親しき者との、変わらない日々。たとえそれが非日常だとしても、欲さずにはいられない願望。


 オッドアイを持つ青年の立案した作戦により、UGNを離脱しなくてはならなくなった元エース達。更には彼の予言通り、身体に異変をきたす言霊遣い。

 逃げ延びた君たちへ、謎めいた女性であるプランナーが言葉をかける。


「──敵の正体が掴めたわ。情報を得るために、こちらから打って出ましょう」


 名もなき異分子イレギュラー言霊遣ソウルパピオンいは、自らを取り巻く"プラン"を知る──。


ダブルクロス The 3rd Edition

キャンペーン「プラン>プロパティ」

第四話 「戦いの軌跡」



影裏:逃げ延びたのにプランナーには居場所が割れてるのか……(苦笑)

春見:それに、打って出る、か。そのまま勢いで押し切れるとはちょっと思えないなぁ。

影裏:それなー。せめて人死にが出ることは避けたいところだ。

春見:更には、私たちを取り巻く"プラン"があるらしいですよ。

影裏:まあ、うん。あるよね。プランナーがこれだけ表に出てきて、無いはずないよね……(白目)

GM:ふふふ。では続けてハンドアウトだ! 今回はPC2、春見が先になってるから注意ね!



▼ハンドアウト


●佐倉 春見(PC2)

 ▼シナリオロイス:佐倉 杏子(あんず) 推奨感情 P:任意 / N:任意

 君は、幼い日の夢を見た。懐かしく、苦しい記憶だ。

 10歳にも満たない頃、春見は鍛錬の間で意識を失ったことがある。これは、その時の夢だ。


 薄れていく意識の中、君を覗き込む少女がいる。佐倉 杏子と名乗る少女のことを、君はまるで覚えていなかった。


 あれは、誰だったのか。胸の小さな痛みだけが、確かに存在を示す──。



●影裏 結理(PC1)

 ▼シナリオロイス:奏 時貞 推奨感情 P:任意 / N:任意

 君は、彼についての情報が欲しい。

 UGNを去った、それはいい。しかし、あの男だけは放っておいてはいけない。


 彼の瞳。あの敵意を孕んだ視線は、これからも大切な人たちを傷つける。だからこそ、あの男から守らなくてはならない。


 たとえ、自分自身の人間性を捨てることになったとしても──。



影裏:PC2のハンドアウトが先ってことは、今回は春見にスポットが当たるのかな。

春見:佐倉、杏子? このタイミングで新キャラが来るとは。

影裏:ていうか待って。佐倉家の人たち、誰一人として杏子ちゃんのこと口にしてないんだけど!?

春見:これは裏がありそう。……佐倉家は一体どうなってるの(笑)

影裏:なんなの佐倉家!? あの家is何!?

春見:それに、影裏の方のハンドアウトも不穏そのものだね。

影裏:人間性を捨てることになったとしても、かぁ(白目)

GM:でも影裏さ、あの3人を守るためなら捨てるでしょ?

影裏:捨てるわ(断言)

春見:生きて!?


 トレーラーとハンドアウトの時点で既にPLたちが戦々恐々としている。これだけ反応を貰えるとGM冥利に尽きるというものだ。

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