第三話〜オープニング2〜

 オープニング2はハンドアウトの通り、佐倉家に手紙が届くシーンだ。シーンプレイヤーは影裏。春見の登場は任意だよ。

春見:それじゃあ出ておこうかな。侵蝕も軽めだったし。

影裏:では出るぜ(ダイスころころ)9……ぐはっ。

春見:(ダイスころころ)2点!

影裏:俺はもうだめだ……FHとの戦闘で9点も侵蝕が上がっちまった……!

GM:いやむしろ安いな!(笑)



 影裏がUGN日本支部に帰った後、事後処理の書類、手続きを済ませ、佐倉家へと戻ってきたのは深夜1時頃だった。

 昔と違い、今は佐倉家に門限は無くなった。というのも、佐倉 厳蔵の鶴の一声があったからである。


影裏:「やれやれ、すっかり遅くなったな……」

春見:「……そう、だね」

影裏:「……春見? 少し疲れてるのか?」

春見:「……ううん、大丈夫。ごめんね心配かけて」

影裏:「……そうか。無理はするなよ。最近何かと忙しいからな」

春見:「それは結理君もでしょ? 前線に出る回数は結理君より少ないから……」

影裏:「ま、俺は書類仕事よりかそっちの方が向いてるからな」

春見:「うん……」


 そんな話をしながら帰宅した二人。家の中は既に寝静まっている。

 君たちが家の廊下を歩いていると、壁をすり抜けて前方から左眼が異形の男が現れた。イージーエフェクト《壁抜け》の描写ですね。


影裏:驚きつつも即座に春見の前に出て臨戦態勢を取ろう。


謎の男:「お前たちが影裏 結理と佐倉 春見か?」

影裏:「……そういうお前は何者だ。人の家に土足で上がり込んでんじゃねぇぞ」

謎の男:「ふむ。それは済まなかった。敵対の意思はない」

 そう言って靴を脱ぐ。

春見:「貴方は……?」

謎の男:「私は"記録者"(レコーダー)。プランナーの"プラン"を記録し続けている者だ」

春見:「何の、御用ですか。こんな時間に」

影裏:「……わざわざ冗談を言いに来たわけじゃないだろう。俺が影裏 結理だ。そちらの目的は」

記録者:「こちらを」


GM:そう言って一枚の紙を手渡してくる。手紙のようですね。


春見:「手紙……」

影裏:「っ……プランナーだと……!?」

 警戒しつつ、手紙を受け取ろう。

記録者:「読み終えたら速やかに"処理"するように、とのことだ」

春見:「……」

記録者:「確かに渡したぞ。ではな」

影裏:「……く、待てっ……!」


 手短に別れを告げるとそのまま床をすり抜けて落下、シーンアウトする。



春見:ボッシュートになります。

影裏:てれってれってー♪


 直後に天井が開いてアンナさんが飛び出してくる!


アンナ:「無事ですかっ!?」

春見:「アンナさん……えぇ、大丈夫です」

影裏:「アンナさん……ただいまです。俺も春見も無事ですよ」


 二人の言葉を聞いて、アンナは心底安堵したようにため息を漏らす。


アンナ:「……すみません。外敵の侵入を許してしまいました」

春見:「いえ。彼、気配が無かったですから。仕方ないです」

影裏:「幸い、相手に害意もなかったみたいですし」

アンナ:「だとすると、あの敵は何が目的だったのでしょう?」

影裏:「……さあ、俺にはなんとも……」

 さりげなく、手紙を背後に隠しておく。

春見:「……挨拶、でしたね」

 その様子を見て合わせる。

アンナ:「そうですか。気になりますが、分からないものは仕方がありません。しかし、狙われているのかもしれません。どうかお気をつけてください、春見、影裏さん」

影裏:「ええ……何か異変があれば知らせるようにします。春見も、今はそれでいいか?」

春見:「うん……」

アンナ:「では、私は当主様にご報告してきます。失礼しますね」

影裏:「おやすみなさい、アンナさん」

春見:「はい、おやすみなさい」


GM:挨拶をして、アンナは天井へと戻っていく。


春見:「……私の部屋で確認しようか。……気になるもんね」

影裏:「だな、まずはコイツを読んでからだ」


 春見の部屋に移動し、手紙の中身を確認する二人。そこにはこう書かれていた。



『内密にお話があります。今夜3時に、あの高校の屋上にて待っています。二人だけで来てください』

 手紙の最後には"プランナー"の文字がある。丁寧で綺麗な字体だ。


影裏:「……これは……」

春見:「……、行くんでしょ?」

影裏:「……罠である可能性は高い。高いが……、隠しても無駄だよな。俺は行ってみたい」

春見:「……だと思った」

影裏:「プランナー……都築 京香の正体に迫れるチャンスかもしれん。春見は──」


 家に残れ、そう続けようとした影裏の言葉を春見が遮る。


春見:「それは酷いよ結理君。私も行く。行かないわけ……ないでしょう?」

影裏:「……まあ、止めても無駄だよな。……わかった、二人で行こう」

春見:「うん……」


 方針の決まった二人は、手紙を黒い炎で焼却処分し家を抜け出した。向かう先はN市立高校、そこで待つのは果たして何者なのか──。

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