第一話〜幕間6〜

影裏:いやー、春見の前では虚勢張ってるけどね。一皮剥けばこんなもんよ。

 だってまだ17歳だぜ?

春見:だよねぇ……。




えるみん:影裏君が暴走しかかってる……ヤバいー!

だみ:まあ、そうなるよなー。納得だわ。

えるみん:えーでも、普段のセッションよりなんかPCたちが不安定な描写多くないー?

だみ:そりゃあそうだよ。だって20年前が舞台だからね。


 とは言ったものの、別段PLたちと相談を交わした訳ではない。本当に自然と不安定な描写が多くなったのだ。

 こういう偶然の産物があるから、TRPGはやめられない。正直、美味しい。


えるみん:そんなに変わるものー?

だみ:いやいや、考えてもみなよ。レネゲイド拡散直後だから、オーヴァードとジャームの戦闘は舞台背景的に”経験がない”んだよ。つまり──、

えるみん:全員がPC1なんだ!


 めっちゃ納得した顔で言ってるけど、たぶんそれ、聞いてる方はなんとなくしか理解できないよな。


だみ:えっと、通訳判定に挑戦すると……

 PCたち全員が覚醒したてで、右も左もわからない状態だ。

 しかもその状態がPC1の一人だけじゃなく、大抵の卓で導いていける存在であるラージナンバーのPCもまた、そういった状態である。

 それ故にPCにとって身近な頼れる存在がおらず、自然と不安定な状態になる。

 ……って言ってるって考えていいのかい?

えるみん:うん! そう言ってるじゃん?


 ダウトぉ! 言ってねぇだろぉ!?


だみ:いや、もっと伝わりやすい言葉でだな──

えるみん:あ! 春見ちゃんがシーン立てたいみたいだよ! 早く早くー!


 途中になった言葉を飲み込み、私はセッションに集中した……。

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