第一話〜ミドル6〜

GM:ミドル6じゃよ。護人会に協力するかどうか、話し合うシーンだ。

 時間は夜。シーンの場所はお任せするよ。

 シーンプレイヤーは影裏。春見も登場をお願いします。


影裏&春見:シーンイン!


春見:では私から結理君の部屋を訪ねよう。

影裏:OK、訪ねて来てくれ。



春見:では夜更け。結理君の部屋のドアをノックしよう。

「……結理君。起きてるかな?」

影裏:「ん……? 春見か。どうした?」

 ドアを開けて迎え入れる。

春見:「……ちょっと、怖くなっちゃって」

 その表情はずっと暗いまま。

影裏:「……そっか。そりゃそうだよな。何か話でもするか」

 椅子を勧める。

春見:「うん……ありがとう」

 その椅子に、自前の枕を抱いて座り込むね。

影裏:「……たった一日で、色々あったな。……色々、変わっちまった」

春見:「……うん。当たり前が当たり前じゃなくなって、人が……どんどん傷ついて……。

 私も……人間じゃなくなった」

影裏:「……人間だよ。そうやって悩んでるうちは、きっとな」

春見:「でも……」

 そう言い淀みつつ、自身の右目を魔眼のものに変化させる。

「……こんな眼をした人間なんて、いないよ……。

 それに……私、あのジャームに……」

影裏:「その眼……あの時からか。……でもさ、それ言うんなら……

 こんな、色が変わる髪した人間もそういないぜ。それに、俺だってジャームを攻撃した。

 それでも俺は、人間でいたいって、そう思ってる。思おうとしてる。

 だから春見は、俺にとっては人間だ」

春見:「……」 右目の魔眼を通常の眼に戻し、話を聞く。

影裏:「でもさ……人間ってのは、どうしてこんなに脆いんだろうな。

 昨日までは普通に喋って、笑って……。

 それなのに、消えるときはほんの一瞬でさ」

春見:「……結理君は、消えたりしないよね?

 結理君も消えちゃったら……私……」

 その眼には涙が。今か今かと溢れそうにしている。

影裏:「……春見……」 その涙を、指先でそっと拭う。

「……俺さ、護人会に協力しようと思うんだ。

 ジャームは今この瞬間も野放しになっていて、誰かが傷ついているかもしれない。

 その矛先が、いつ、俺の大切なものに向かうかも分からない。

 だったら、俺は戦う。……戦って、今度こそ、大切なものを守りたい。

 俺が、守らなきゃ、いけないんだ」

春見:「……うん。結理君なら、そう言うと思ってた。

 ……だったら、私も協力する」

影裏:「春見……。お前まで付き合う必要はないんだぞ? 危険すぎる」

春見:「……結理君が一人で危ない事をするのを、黙って見てるの?」

影裏:「それは……」 言い淀む。

春見:「私は……そんな事耐えられない。だったら……私も一緒にお手伝いする。

 一緒に、結理君と戦う。きっと……それが……私が私で……」

 声はどんどん小さくなり、最後の方は結理にも聞こえない。

影裏:「……お前も、意外と頑固な部分、あるよな」(苦笑)

春見:「うん。だって、結理君の幼馴染だよ? 当たり前だよ。

 結理君、困っている人を見過ごせないから、私も巻き込まれたことだって数回じゃないもん」

影裏:「……分かった。だったら、春見もまとめて、俺が守ってやる。

 一緒に戦って、一緒に守っていこう。それが今、やらなきゃいけないことなんだ」

春見:「……うん。私は、結理君を護るから……この身が傷つくことになっても」

影裏:「……少しは眠れそうか?」

春見:「うん……。でも、まだ怖い……。

 今日だけでいいから……。昔みたいに……一緒に」

影裏&春見:「……一緒に寝るか」「……一緒に寝ない?」

影裏&春見:「……ふふっ」

影裏:「はあ、疲れた。もう寝ようぜ。明日になっちまう」

春見:「そうだね。寝ちゃおっか」

 布団に入り、背中合わせで結理に声をかける。

「及川君と都築さん……無事だといいね」

影裏:「……そうだな。無事でいてくれると、凄く嬉しいな。

 ……おやすみ、春見」

春見:「……おやすみ、結理君」


GM:二人は眠る。静かな決意と、ささやかな幸せを夢見て。

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