レムリア帝国経済白書
人口2500万人(+ハヤスタン王国200万) 合計2700万
地理
主な都市
・ノヴァ・レムリア市(85万)
レムリア帝国の首都。物語開始時では人口は70万ほどであったが、エルキュールの即位後も人口流入が続き、人口が大きく増大した。
天然の良港を擁する湾港都市であり、西方世界最大の貿易港。世界中から様々な物産が集まる。レムリア帝国の財政を支える、重要な都市。
別名、「世界の三分の二の富が集まる都」
三方を海に囲まれ、陸側には強固な防壁が築かれているため難攻不落の都市でもある。
三本の世界的交易路である「海の道」「草原の道」「オアシス(絹)の道」の交差点に存在する。
五本山の一つであり、ノヴァ・レムリア総主教座が存在する。
尚、現在は亡命レムリア総主教座も設置されている。
・アレクティア市(45万)
レムリア帝国第二の都市。ミスル属州の州都。物語開始時は40万だったが、その後五万ほど増加した。
ミスル属州やシュリア属州で収穫された小麦などの農産物は全て一度アレクティアへと集まり、ノヴァ・レムリアへと運ばれる。
また「海の道」の上にあり、レムリア帝国にとっては外国との玄関口の一つでもある。
五本山の一つであり、アレクティア総主教座が存在する。
・オロンティア市(40万)
レムリア帝国第三の都市。シュリア属州の州都。物語開始時には30万ほどだったが、ファールス王国との国境安定化に伴い、人口が10万増加した。
「オアシス(絹)の道」の上にあり、レムリア帝国にとっては外国との玄関口の一つである。
また難攻不落の都市としても知られており、強固な防壁が築かれている。
ファールス王国との最前線。
五本山の一つであり、オロンティア総主教座が存在する。
・キュレーネ市(20万)
レムリア帝国第四の都市。キューレネイカ属州の州都。
レムリア帝国の穀倉地帯の一つ、キューレネイカ属州の小麦がこの地に集まり、一時アレクティア市へと運ばれた後に、ノヴァ・レムリアへと移送される。
・エルシュタット市(20万)
ハヤスタン王国の首都。ハヤスタン王国の経済・政治の中心地。
物語開始時では15万ほどだが、エルキュールとルナリエのおかげで人口が増加した。
そこそこ発展している。
・ヒエソリア市(8万)
レムリア帝国に於いては中堅ほどの都市。
しかしレムリア帝国の国教でありメシア教の聖地であり、また六星教の聖地でもある。
元々六星教徒は近寄ることができなかったが、エルキュールが帰還を許したことで世界中から六星教徒が集まり、人口増加中。
思った以上に集まり過ぎて、エルキュールは内心で後悔しているとか、していないとか。
五本山の一つであり、ヒエソリア総主教座が存在する。
主な属州
トランキア属州
ノヴァ・レムリア市のほぼ西側に位置する属州。ブルガロン王国と国境線で接していたため、レムリア帝国にとっては軍事的な生命線だった。
ただし近くにブルガロン王国の脅威が存在していたため、決して経済的に豊かとはいえない。
主な産業はオリーブや葡萄、大理石など。
ペロソニア属州
ダリオスが一時占領していた地域。トランキア属州から南西に存在する。
主にダリオスの所為であまり豊かではないが、大昔は文化的に栄えた地域でもあった。
産業はトランキア属州とあまり変わらない。
ミスル属州
レムリア帝国の南大陸に存在する属州。
砂漠気候に属するがニール河を擁しており、その地味は大変豊か。
レムリア帝国最大の穀倉地帯であり、小麦・大麦は無論、綿花、砂糖、米、珈琲などの農産物、そして外国から輸入された贅沢品(香辛料など)が集まる。
経済的に最も重要な属州。
キューレネイカ属州
ミスル属州の西側に存在する属州。
砂漠気候に属していはいるが、沿岸部は地味豊かであり、レムリア帝国の重要な穀倉地帯の一つである。
またチェルダ王国とも隣接しているため、軍事的にも重要な地域。
シュリア属州
ミスル属州の北東に存在する属州。
ミスル属州と共に、肥沃な三日月地帯であり、その農業生産力はミスル属州に匹敵するほど高い。
またファールス王国からの交易品も流れており、経済的に大変重要な場所である。
ただしそれはファールス王国に常に狙われていることを意味している。
シュリア属州を奪われるとレムリア帝国は領土を南北に引き裂かれることになる。レムリア帝国のアキレス腱。
アナトリコン属州
ノヴァ・レムリアの東側に広がる属州。
山がちな土地ではあるが、土地はそこそこ肥沃であり、首都に近いこともあり重要な穀倉地帯となっている。
ファールス王国と接しており、軍事的に重要な土地……ではあるがファールス王国はアナトリコン属州よりもシュリア属州を狙うことの方が多いため、戦火に晒されたことはあまりない。
ハヤスタン王国
アナトリコン属州の東側に広がる、レムリア帝国の属国。
土地はそこそこ肥沃なのだが、だからこそ狙われてしまう悲劇の土地。
ただし最近はレムリア帝国の属国となったことで、それなりに安定してきている。
ノヴァ・レムリアへの穀物の輸出により、経済は好調な模様。
またレムリア帝国とファールス王国間での中継貿易を行っており、かなり儲けている。(レムリア帝国とファールス王国は互いの交易品に高い関税をかけているが、ハヤスタン王国への交易品に関しては低く抑えられているため、場合によっては直接取引をするよりも利益が上がる)
タウリカ属州
エルキュールが新たに征服して誕生した属州。
タウリカ半島、及びその周辺の北方地域。
まだ開拓が進んではいないが、肥沃なチェルノーゼムを擁するため将来性は高い。
また北方諸国との貿易の玄関口でもある。
現在、移民増加中。
カウカーソス属州
エルキュールが新たに征服して誕生した属州。
北カウカーソス地方の沿岸部。なお、残りの北カウカーソス地方は黒突との緩衝地帯として残されている。
肥沃なチェルノーゼムを擁するため、将来性が高い。
ブルガロン属州
旧ブルガロン王国の南半分。遊牧民と農耕民が雑居している。主要な氏族はクロム氏族。
主要な産業は羊、馬など。
ダチア属州
旧ブルガロン王国の北半分。遊牧民と農耕民が雑居している。主要な氏族はテリテル氏族。
主な産業は羊、馬。
また古くから金鉱脈が存在するため、金が掘れる。
農業
レムリア帝国の国家収入の大部分は農業分野であり、国民のほぼ全てが農業に従事している。
もっとも、この世界ではそれが当然であるが。
主要な農産物はまず主食である小麦、そして小麦の代替物である大麦、ライ麦、燕麦。
次にレムリア帝国の食文化を支え、そしてまたメシア教の儀式にも必要不可欠な葡萄酒を生産するための、葡萄。
そして食用油として、欠かせないオリーブ油など。
これに加えて、近年では油、そして穀物、飼料として利用するための大豆。
ミスル属州の一部で導入された米。
またオレンジやレモンなどの果物。
そして重要な商品作物である、珈琲・砂糖(サトウキビ、甜菜)・綿花、そしてお茶の栽培も行われている。
畜産
農業の次に重要な産業が畜産である。レムリア帝国で主に飼われている動物は以下の通り。
・豚……レムリア帝国で肉と言えば、豚肉を指す。ただしこれは帝国の西側、ノヴァ・レムリア市やトランキア属州、ペロソニア属州に限られる。というのも帝国の東側、シュリア属州やミスル属州では豚を忌み嫌う文化が存在するからである。
理由は不明だが……おそらくシュリア属州やミスル属州には森林が少なく、豚の餌にできるドングリが少なかったため、豚を手早く太らせるには大麦などの穀物、つまり人間と同じ食糧を与えざるを得なかったために、人間の食糧を奪う形になる豚の飼育が忌諱されたのではないか、というのがエルキュールの考察である。
・羊……豚とは異なり、帝国のほぼ全域で飼われている。主な使用用途は羊毛、次に食肉。現在は高品質な羊毛を生産できる、品種改良された羊が導入されており、レムリア帝国の羊毛の品質が全体的に向上しつつある。
・山羊……基本はミルク、ヤギ乳を採取するため。レムリア帝国でミルクと言えば、基本的には山羊の乳を指す場合が多い。牛の乳を飲めるのは富裕層だけ。
・鶏……主に鶏卵用。無論、食肉としても使用される。鶏を飼育していない農家はいない。
・ウサギ……食肉及び毛皮用。多くの農民が小遣い稼ぎで育てている。
・牛……牛の使用は、食肉・牛乳・畜力の三つであるが基本的には畜力として利用される場合が多い。あまり裕福ではない農村は共同で牛を飼い、畑を耕すのに使用する。牛乳と牛肉は富裕層向けであり、主に大都市近辺で育てられている。
・馬……農地を耕す動力としても、物流を支える乗り物としても、そして重要な軍事的は兵器としても重要な家畜。現在、エルキュールは積極的に馬の飼育を奨励している。
だがあまりうまくはいっていない。というのも、馬を放牧できるような場所にはもうすでに羊が放牧されてしまっているからである。
そのためブルガロン王国の編入は、馬の生産という側面から考えるとエルキュールとしてはかなり助かっていたりする。
ちなみに馬は牛よりも消費する餌の量が多いので、畜力として畑を耕すのに馬を使用できるのは裕福な農家だけである。
・ロバ……馬の代替品。ただし、駄馬としては場合によっては馬よりも優秀。
・ラクダ……砂漠地帯、ミスル属州で使用されている。ラクダの乳は高級品。肉は珍味扱い。
鉱業
レムリア帝国は領土が広いこともあり、大概の鉱物資源が採取できる。
特にアナトリコン属州は鉱物資源に恵まれており、金・銀・銅・鉄が採掘できる。
また新たに領土に加わった、ダチア属州にも金鉱脈が存在している。
しかし宝石の類は採掘できないため、多くは輸入しなければならない。
手工業
レムリア帝国の手工業はノヴァ・レムリア市を中心に発展している。
主な産業は以下の通り。
・酒……主に葡萄酒を指す。また麦酒なども作られている。米を利用した酒は現在、開発中。レムリア帝国の葡萄酒は世界的にも評価が高く、西方諸国では無論のこと、ファールス王国でもよく飲まれている。
・油……主にオリーブ油など。最近は大豆油、綿実油なども作られている。需要の多くは国内消費ではあるが、余った分は輸出される。こちらも評価が高い。
・繊維……エルキュールが特に力を入れている産業。古来からある羊毛に加えて、木綿、そして絹の生産を行っている。現在、急成長中の産業。
・ガラス……レムリアガラスと呼ばれるガラス細工。ファールス王国で生産される、ファールス細工と競合している。西方諸国に輸出されており、西方諸国の窓ガラスの多くはレムリア産。
・陶磁器……元々レムリア帝国には陶磁器産業が存在しており、ファールス王国の陶磁器産業と競合していた。近年では骨灰磁器の開発により、ファールス王国よりも優位に立っている。
交易
首都のノヴァ・レムリア市は三本の交易路の交差点に国が存在しており、交易は国富の源である。
しかし傾向としてはどちらかと言えば、輸入過多に陥っており、金銀の流出が建国当初からの課題。
主要交易路
・オアシス(絹)の道
某絹の国から、オアシス諸都市、そしてファールス王国を通り、オロンティア市を通過してノヴァ・レムリアまで至る交易路。
陸路ということもあり、その主要交易品は軽い、または小さくて、かつ高価なもの。
絹や宝石類など
・海の道
東方からルベル海を通り、そして運河を通ってニール河に出て、アレクティア市を通過してノヴァ・レムリアにまで至る交易路。
海路であり、その主要交易品は重くて、(絹や宝石と比較して)高価ではないもの。
茶、東方磁器、香辛料、香料など
・草原の道
東方から黒突など遊牧民の領域を通り、ハヤスタン王国やタウリカ属州を通過してノヴァ・レムリア市にまで至る交易路。
陸路であるため、交易品はオアシス(絹)の道に似ている。
絹や宝石類など
その他交易路
・北方諸国との交易路
タウリカ半島を通じて、ノヴァ・レムリア市にまで至る北方諸国との交易路。
草原の道と、一部被っている。
動物の毛皮や琥珀など。
・砂漠交易
南大陸の砂漠を縦断する交易路。道が過酷であるためあまり盛んではないが、利率は高い。
金、象牙など。
各国との貿易
・ファールス王国
ファールス王国との交易はレムリア帝国の一方的な輸入超過となっている。エルキュールの即位後からはある程度緩和されてはいるが、それでも構造に大きな変化はない。
ファールス王国は銀経済の国なので、レムリア帝国は金が流出し、逆に銀が流入するという構図になっている。
輸出品
葡萄酒、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工(レムリアガラス)、砂糖、繊維(衣服の生地)、金(金貨流出)
輸入品
宝石(中継)、絹(中継)、ガラス細工(ファールスガラス)、ファールス絨毯、銀(銀貨流入)
・季節風貿易(シンディラ貿易)
海の道のこと。アレクティア市を介した、シンディラ及びその周辺国との交易。レムリア帝国の一方的な輸入超過となっている。
輸出品
葡萄酒、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工(レムリアガラス)、砂糖、繊維(衣服の生地)、金(金貨流出)
輸入品
香辛料、香料、東方磁器
・ハヤスタン王国
ハヤスタン王国との交易はエルキュールの恩情もあり、レムリア帝国の一方的な輸入超過となっている。ただし借款返済により、ハヤスタン王国へと流れたレムリア帝国の金貨は最終的にはレムリアへと戻る。
輸出品
葡萄酒、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工(レムリアガラス)、砂糖、繊維(衣服の生地)、金(金貨流出)
輸入品
葡萄、葡萄酒、小麦、大麦、蜂蜜、その他農産物
・北方諸国
北方諸国との交易はレムリア帝国の一方的な輸出超過である。ただし貿易の規模は小さく、ファールス王国との交易を覆すほどではない。
輸出品
葡萄酒、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工、砂糖、繊維(衣服の生地)
輸入品
奴隷、琥珀、毛皮、金・銀・銅
・ヌバ王国(及び南方諸国)
ヌバ王国との交易はレムリア帝国の一方的な輸出超過となっている。レムリア帝国にとっては、重要な金の入手先である。
輸出品
葡萄酒、オリーブ油、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工、砂糖、繊維(衣服の生地)、宝石(中継)、絹(中継)、香辛料(中継)、東方磁器(中継)
輸入品
金・銀、奴隷、象牙、宝石
・西方諸国(チェルダ、フラーリング、トレトゥム、エデルナ)
レムリア帝国の一方的な輸出超過。レムリア帝国が輸入しなければならないものは特にない。
輸出品
葡萄酒、オリーブ油、珈琲、骨灰磁器、ガラス細工、砂糖、繊維(衣服の生地)、宝石(中継)、絹(中継)、香辛料(中継)、東方磁器(中継)
輸入品
奴隷、金・銀・銅
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