運命 2


「海人、お前は18になったのか。」

「はい18になりました。」

僕は父上の1本後ろを歩きその大きな背中を見つめながら答える

「もうそんな大きくなったんだな。」

「…僕はまだまだです。」

2人の足音以外には後ろからの兵士達の力強い足音と甲冑が当たってガチャガチャとした音が廊下に響く


水ノ一振が置かれている場所へと

近づく度に冷気が増してくる

何か分からないけどもとても…寂しいというか…


「どうだ寒くなってきただろう、冬でもないというのに。」

雨は降っているでも、寒気がする程ではなくどちらかというと空気がじめっと感じるくらいだった。なのに…


「まるで来るなと言われてるみたいですね。」

「ははは、かもしれんな。」


父上の足が止まる

僕も足を止めて扉へ目をやる

「鍵を。」兵士に合図を送り扉へ厳重に付けられた鍵や鎖を外させる

いよいよ扉が開かれるのだ


「…。」 「緊張してるのか?」

「正直にいうと少ししてます。」

「そうか。息子よ、俺は冷や汗が止まらないさ。」

分厚い扉を兵士達が押して開ける

開けた途端に寒さはぐっと増した


2人はその寒さの中に1本、足を踏み入れる


待ち構えるは“たかが刀されど刀”

なのにこの胸の高鳴りはなんなのだろうか


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