事件も無事解決!

 ワシントン州 ハリソン夫妻の自宅 二〇一五年七月一〇日 午後六時〇〇分

 アルバート・レイブンこと『ルティアNO.Ⅳ』が犯行を認めたことにより、AMISA・FBIらの捜査にも大きな進展があった。

 香澄たちがアルバートの犯行を暴いた直後、シンシア・ミラーこと『ルティアNO.Ⅰ』、モニカ・オリーブこと『ルティアNO.Ⅱ』は身柄を移される。またAMISA・FBIを欺いていたことがばれてしまい、シンシアとモニカの両名も中級精神病棟で入院していた身柄を、上級精神病犯罪者を収容する刑務所へと移されてしまう。

 そしてエドガー・レイブンこと『ルティアNO.Ⅲ』、ならびにアーサー・ルティアと妻のリサ・ルティアと【ルティア計画】に関与した一部の関係者の殺害容疑で、アメリカの裁判所はアルバートに終身刑を宣告した。しかしアルバートが行った犯行はあまりにも残酷なものでもあり、アメリカ政府・裁判所は仮釈放なしという命令を下す。

 もちろんアルバート・シンシア・モニカの三名は、それぞれ別の刑務所へと身柄を拘束されている。なのでお互いに連絡を取り合うことはもちろん、脱走計画を企てることも出来ない。


 なにはともあれ……【新・ルティア計画】が本格化する前に、香澄たちのおかげで彼らの犯行を食い止めることが出来た。そして香澄とジェニファーは、AMISAに属するフローラ、FBIに属するダグラスとレベッカへ改めて感謝の気持ちを伝える。

「フローラ、ダグラス、そしてレベッカ。この度は本当にありがとうございました。そして……お疲れさまでした!」

「私からもお礼を言わせてください。みなさん……本当にお世話になりました!」

香澄とジェニファーの挨拶が終わると同時に、フローラたちは彼女たちへ拍手を送る。

「どういたしまして。香澄、ジェニー……今回は本当にありがとう!」

「僕からもお礼を言わせてくれ。君たちがいなかったら事件は迷宮入りするどころか……今頃アメリカは大混乱だったに違いないよ!」

 協力者という立場でありながら、香澄とジェニファーを称賛するダグラス。それはレベッカも同じで、彼女も満面の笑みを浮かべている。


 そして後で事情を知ったエリノアは、テーブルに置いてあるアイスティーを香澄とジェニファーへ渡す。

「香澄、ジェニー、お疲れ様。喉乾いているでしょう? はい、どうぞ」

グラスに入っている氷が“パリン”という音を鳴らし、一時のリズムを奏でている。

「ありがとう、エリー。ちなみにこれは……ではないわよね?」

ちょっと意地悪な質問をする香澄の問いかけに、左目のウィンクで返すエリノア。

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