Truth of the incident(事件の真相)
図太い性格!?
フロリダ州 フローラの別荘 二〇一五年七月七日 午前一時三〇分
香澄たちの活躍により、エドガー殺しの犯人ことアルバート・レイブンを捕まえた。まもなく警察が到着する時間なのだが、アルバートの犯行動機について取り調べを行っているダグラスとレベッカ。
しかし彼らが本格的に取り調べを行う数分前……香澄・ジェニファー・フローラの三人は、事情が事情とは言え犯人呼ばわりしてしまったエリノアへ謝罪する。
「エリー……本当にごめんなさい! 犯人を突き止めるために、どうしても必要なことだったの。この通りよ!」
「…………」
とっさに両手を前に組み頭を下げ、何度も自分の気持ちを誠心誠意伝える香澄。同様にジェニファーとフローラも、“本当にごめんなさい!!”と何度もエリノアに謝った。
何度も香澄たちから謝罪を受けるエリノアだが、その顔は一点して無表情。だがその目は明らかに怒りに満ちており、“これでエリーとの友情も終わりね”と諦めかける香澄たち。最悪エリノアが弁護士を雇い名誉棄損で訴えたら、十中八九香澄たちに勝ち目はないだろう。
そして自分を利用した香澄たちへ裁きを下すため、エリノアは彼女たちへ声をかける。
「香澄、ジェニー。そしてフローラ!」
「は、はい!?」
かつて聞いたことがないほど大きな声を出すエリノアに、思わず委縮してしまう香澄たち。
そしてエリノアが軽く深呼吸をすると、思わぬ言葉を香澄たちは耳にする。
「わ、私……頭が真っ白になってしまうくらい……興奮してしまいました!」
「……えっ!?」
てっきり愚痴やお説教の一つや二つあると思っていただけに、その場にいた誰もが驚きのあまり言葉を失ってしまう。
『以外にエリーって……神経図太いのね。大人しそうな顔をしているけど……人はみかけによらないものだわ』
緊迫した状況下の中において、エリノアへの印象が大きく変わってしまう香澄だった。
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