香澄の策略とは!?
フロリダ州 フローラの別荘 二〇一五年七月六日 午後一一時一五分
数分程頭の中で情報整理をした矢先、香澄の脳裏にある考えが浮かぶ。
「そうだ、この考えならいけるかもしれないわ。みんな、私の考えを聞いてください!」
香澄はとっさに思いついた考えを、ジェニファーたちへ事細かく伝える。
しかしそれは、あまりにも危険な賭けでもあった。だが香澄の考えた計画は多少のリスクを伴うが、現状においてこれが一番の方法でもある。
「――というのが、私の考えです。どう思いますか?」
それはFBIに属するダグラスやレベッカでは思いつくことがない、香澄ならではの発想でもあった。正直なところ、香澄の提案に意を唱えるつもりだったダグラス。だがパートナーのレベッカに止められ、“ここはかすみの
「よし、わかった。一か八かカスミに賭けてみよう。……それからカスミ。万が一この計画が失敗して責任追及されたら、“僕らが考えた計画”って言ってくれればいい。むしろ相手が相手なだけに、こちらも多少のダメージは覚悟しないと だから君は……規則とか責任とか難しいことは考えなくてもいいからね!」
「フローラには後で私たちから事情を説明するわ。だからかすみ、あなたは自分の考えを信じて!」
それはFBI捜査官のダグラスとレベッカの両名が、正式に香澄の協力者・理解者となった瞬間でもあった。強力な後ろ盾を手に入れた香澄にとって、これほど心強いものはない。
「わ、私も香澄のこと一生懸命支えます。だから香澄……絶対に犯人を捕らえようね!」
「ジェニー、ダグラス、レベッカ……本当に、本当にありがとうございます! なんとお礼を言っていいのか」
「ふふ。まだお礼を言うのは早いわよ、かすみ。気持ちは嬉しいけど、今は目の前の事件を解決することに、全力を注ぎなさい!」
その後部屋を出て行った香澄とジェニファーと入れ替わるように、再度エリノアとアルバートを呼び集める。これも犯人を警戒させないための、彼らの心理的作戦によるもの。
その後ダグラスとレベッカはフローラを部屋へと呼び出し、これから自分たちが実行する予定の計画の全容を語る。最初は驚きを隠せないフローラだったが、以外にも早く香澄の提案を受け入れてくれた。
はたして香澄が考えた犯人を発見するための計画とは、一体どのようなものなのか? そして今度こそ香澄たちは『ルティアNO.Ⅳ』を捕まえ、アメリカの危機を救うことが出来るのだろうか?
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