意外な来客の正体とは!?
フロリダ州 フローラの別荘 二〇一五年七月六日 午後八時〇〇分
心理学サークルでの通達通り、七月六日の午後八時〇〇分にフロリダ州にあるフローラの別荘で、最初で最後のパーティーが開かれる。突然のサークル閉鎖のお詫び・今までの感謝の気落ちを込めて、フローラは学生たちが好みそうな食べ物や飲み物を中心に取りそろえた。
主催者のフローラをはじめ、サークル部員の香澄たちはこの日ばかりの雰囲気を満喫する。そしてフローラの友人ということで招かれた、ある二人の人物もパーティーを楽しんでいる。
「……こうしてみんなで集まってパーティーをするのも、本当に久しぶりだな。学生の時以来かな? 君はどうだい、レベッカ?」
「私は数ヶ月前に妹家族とホームパーティーをしたばかりだから、こういう雰囲気には慣れているのよ。ダグ」
調査や事件は終了となったはずだが、なぜかこの場にFBI捜査官のダグラスとレベッカが招かれている。表向きはAMISA・FBI双方の判断により、【ルティア計画】に関連する事件は解決した。しかしそれはあくまでも表向きの話で、完全に解決したわけではない。特にシンシアとモニカの両名から、【ルティア計画】に関した情報をすべて聴取していない。
よって一度はフローラに自由行動こそ許されたが、彼女の行動を裏でAMISA・FBIが見守っている。その一環として急遽、かつて一緒に調査を行ったダグラス・レベッカの両名が、フローラのボディーガードとしてこのパーティーに招かれた。
だが二人がFBI捜査官であることはおろか、【ルティア計画】の真相を知っているのは、香澄たちを含め五名だけ。なので残りのエリノアとレイブン兄弟に対しては、ダグラスとレベッカの身分を隠す必要がある。
そこで表向きはフローラの友人ということにして、ダグラスとレベッカは香澄たちと一緒に行動している。一応身分は伏せているものの、彼らはそれぞれFBIの身分証と銃・手錠などの装備はしっかりと携帯している。
「でもフローラから聞いた時は、本当に驚きましたよ。まさかFBI捜査官のお二人に、こんな形でまた再開出来るなんて」
「私もよ。……でもそのことはあまり大きな声で言わないでね、ジェニー。一応身分を伏せているのだから」
思わず口を滑らせてしまったジェニファーの唇の前に、自分の人差し指を縦に置くレベッカの姿があった。
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