犯人は誰!?

 テキサス州 ルティア夫妻の隠れ家 二〇一五年六月一三日 午前〇時一五時分

 リサが二階へ上がり廊下に目を向けると、そこには驚くべき光景が映る。先ほどまでリサたちと話をしていたアーサーが、うつぶせの状態で廊下に倒れているのだ。

「あ、アーサー。一体どうしたの!?」

 とっさにアーサーの元へ駆け寄るリサ。すぐに彼の容体を確認しようと、手首の脈を確認するリサ。だがすでに脈の鼓動は停止しており、リサの腕には謎の死をとげたアーサーの体が横たわっている。

「……こ、これは一体どういうことなの!? ど、どうして主人が死んでいるの!? 周辺に血だまりもないから、銃殺や刺殺ではないと思うけど……」

リサはとっさにアーサーに外傷がないか調べてみるが、やはり銃で撃たれた傷もなければナイフで刺された傷も見当たらない。

 

 リサがアーサーの体をさらによく調べてみると、口の中から大量の唾液がこぼれ落ちている。周りに血だまりがないことから、警察やFBIなどに射殺された可能性は低い。また首を絞められたと仮定した時における、索条痕さくじょうこんも見当たらない。もちろん心臓病などの持病もないことから、アーサーの突然の死には疑問が残る。


 これらのパズルを組み合わせた結果、リサはアーサーの死の真相を知る。

「ま、まさか!? ……となると腕に注射の跡が残っているはず!?」

 とっさにアーサーの腕をめくり、毒を注入した際に付いたと思われる注射針の跡を探すリサ。しかしアーサーの腕には注射針の跡は見当たらず、リサは夫の死因を特定することが出来なかった。

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