8章 バージニア州で明かされる真相

(第二幕 八章) 登場人物・用語集・場所説明・アメリカと日本の違い 一覧

              『登場人物一覧』


ロバート・パウエル……ジョージタウン大学病院に勤務する精神科医で、四〇代後半~五〇代前半の男性。社交的な性格で、突然訪れた香澄やフローラにも積極的に情報開示を行った。

 本作では、ルティア夫妻と同期にジョージタウン大学病院で医師になったという設定。


アーサー・ルティア……約二十年前に【ルティア計画】を発表した、IQ一五〇を記録する天才精神科医。目的や理想のためなら手段をいとわない性格で、人の良心を平気で利用する。心理学科卒であることから、相手の心を惑わす話術が得意。

 基本的に他人を信用していない性格だが、妻のリサと『ルティアNO.Ⅳ』に対してのみ心を開いている。


リサ・ルティア……約二十年前に【ルティア計画】を発表した、IQ一五〇を記録する天才産婦人科医。子宮内膜症を発症している事実を逆手に取り、マスコミやメディアへ『リスクの低い不妊治療』と称して、被験者の遺伝子や細胞を集める。

 医学だけでなく遺伝子学にも精通しており、プライドが高くわがままな性格。夫のアーサーと『ルティアNO.Ⅳ』に対してのみ心を開いている。


ルティアNO.Ⅰ……ルティア夫妻が【ルティア計画】で生み出した、優れた頭脳や遺伝子を持つ子ども(クローン)の一人。記憶力に優れており、作戦や計画を考える能力に長けている。しかしルティア夫妻にマインドコントロールされているため、その知識を自分の意思で使用することは出来ない。

 四名の中で一番攻撃的な性格で、すぐに他人へ責任転嫁する癖がある。研究所も手を焼くほどの暴行事件が多い問題児。同じ時期に生まれた『ルティアNO.Ⅱ』と仲が良い。IQ一六〇。

 ルティア夫妻が残した資料によると、「数十回にも研究・実験を繰り返し、誕生した子どもの一人」と記録されている。

 また香澄の考察により、ある人物が浮上している。


ルティアNO.Ⅱ……ルティア夫妻が【ルティア計画】で生み出した、優れた頭脳や遺伝子を持つ子ども(クローン)の一人。薬の知識に長けた頭脳を持ち、道具や環境が揃えば病気の治療薬~毒薬まで一人で作れる。しかしルティア夫妻にマインドコントロールされているため、その知識を自分の意思で使用することは出来ない。

 四名の中で一番弱気な性格だが、逆上すると暴れ物を壊す癖がある。なお同じ時期に生まれた『ルティアNO.Ⅰ』と仲が良い。IQ一六〇。

 ルティア夫妻が残した資料によると、「数十回にも研究・実験を繰り返し、誕生した子どもの一人」と記録されている。

 また香澄の考察により、ある人物が浮上している。


ルティアNO.Ⅲ……ルティア夫妻が【ルティア計画】で生み出した、優れた頭脳や遺伝子を持つ子ども(クローン)の一人。頭脳労働よりも体を動かすことに長けている。人一倍優れた体力を持っているが、ルティア夫妻にマインドコントロールされているため、その知識を自分の意思で使用することは出来ない。IQ一六〇。

 四名の中で一番単独行動を好む性格で、ルティア夫妻が洗脳するのに一番苦労した子ども。思ったことをそのまま口にしてしまう性格のため、良好な人間関係を築くのが苦手。一時期同じ施設で暮らしていた『ルティアNO.Ⅰ・NO.Ⅱ』とは仲が悪い。

 ルティア夫妻が残した資料によると、「数十回にも研究・実験を繰り返し、誕生した子どもの一人」と記録されている。

 また手がかりが少ないことから、その正体は不明。


ルティアNO.Ⅳ……ルティア夫妻が【ルティア計画】で生み出した、優れた頭脳や遺伝子を持つ子ども(クローン)の一人。冷静な思考力・頭の回転の早いなどの特徴があり、運動よりも頭脳労働で能力を発揮する。『ルティアNO.Ⅲ』ほどではないが、人並み以上の優れた運動神経も兼ね備えている。だがルティア夫妻にマインドコントロールされているため、その知識を自分の意思で使用することは出来ない。

 四名の中で一番落ち着いた性格で、ルティア夫妻の指示や命令は的確にこなす。これまで一度も問題を起こしたことがない優等生タイプで、ルティア夫妻の中でも一番評価が高い。

 数十回~百回にもおよぶ研究と実験の結果、ルティア夫妻自らの遺伝子を使って生みだされた子ども。その結果IQ一八〇という驚異的な数値を記録し、『ルティアNO.Ⅰ~NO.Ⅲ』の長所を引き継いだであると、ルティア夫妻が残した資料に書き記されている。

 性別や外見などに関する特徴や供述が一切残っていないため、その正体は不明。またIQ一八〇という驚異的な数値を記録しているだけでなく、自分の知識や能力を他人へひけらかすことがない性格。そのため正体を見極めるのが非常に困難だと香澄は考察し、ある意味ルティア夫妻よりも恐ろしい人物だとフローラは指摘する。


              『用語補足説明』


クローン……遺伝子やDNAなどを操作して、ヒトや動物などの生物を生み出す技術。SFで度々登場することが特徴だが、クローン人間を作ることは法律で禁止されている。

 なお一九九七年二月二二日にスコットランドのロスリン研究所で、世界初のクローン技術を用いたヒツジのドリーが誕生したことをメディアに発表。


マインドコントロール……相手の精神を支配して、自分の意のままに動かすことが出来る洗脳のこと。自己暗示の一種でもあり、本人はマインドコントロールされていることにすら気がつかないケースも多い。


IQ……Intelligence Quotientの略で、知能指数のこと。この数値が高ければ頭が良いことを証明される。天才の基準として、IQ一四〇以上必要。


               『場所説明』


ダレス空港……バージニア州にある空港の一つ。アメリカの首都 ワシントンD.Cへ行く場合における、玄関口でもある。


TSA……Transportation Security Administrationの略で、正式名称はアメリカ合衆国運輸保安庁。二〇〇一年九月一一のアメリカ同時多発テロ事件後に、アメリカバージニア州に設立される。

 アメリカ合衆国内における、公共交通機関の安全を維持することが職務内容。

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