第6話 暁

いつも通り、学校を終えた。


今はいつもと変わらない岐路を歩いているだけ。


「(…はずなんだけど。)」


何時もと変わらないようで、何かが違う。

背中に寒気が通る。


なんだか空もやけにオレンジ色だ。


次第に耳鳴りもしてきた。


「うるさいな…」


その時だった。


「!?」


嫌な予感がして後ろを振り返ってみると、大きな女性がいた。

やせ細ってはいるが、背が高くなんだか異様なオーラがあった。


身なりもかなりよさそうで、見るからにお金持ちのおばさん…いや、おばあさんだった。


もしかしてこの人が、あの館の婦人なのだろうか。


「あ、あの…」


「あの絵画が欲しいのかい。」


「…えっ」


「あの絵画が欲しいのかい。」


「は、はい!」


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