第6話 夜明け

ガバッッッ!!!


私の体が反射で起きる。


急に起きたため、体がついていけず軽い浮遊感とともにベッドに沈んだ。


「嫌な夢…」


冬場なのに、冷や汗にまみれた体はじっとりとしている。


鉛のように重たい体を持ち上げる。


「でも、どうしてもあの絵画に何が描かれていたかは、思い出せないんだよなぁ…」


小さい頃に見ただけだからか、記憶にある絵画はいつも白いモヤがかかっている。


「…下に降りよう。」


なんだか、嫌な夢を見たせいか一人でいるのが嫌だった。


スマホを触って時間を確認してみると、まだ5時半だった。


「…あんまり眠れなかったな。」


私はとにかく、下に降りて顔を洗った。


「あら、今日は早いですねえ。」


「…百合子さん、おはようございます。

なんだか嫌な夢を見てしまって。」


「おはよう。

あらそうなの、ご飯はもう作ってしまいますか?」


「…うん、お願いします。」


なぜだか、話を逸らさせた気がした。

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