払暁 2

私だって、全部が全部本当のことだとは思えない。

それでも、聞いてしまったからには何かせずにはいられなかった。


それに、なぜか私には確証のない確信が生まれたのだ。


その館に、私が心が焼けるほど求めている絵画があると。


私はおばあさんに誕生日だから早く帰ってきてね、と言われたことを忘れていたが足早に家に向かった。


こうしてはいられない。

はやく


はやく


あの屋敷に向かって確かめなければ。


あの絵画が、


私の絵画があるか、


私だってもう絵画の絵など本当は覚えていない。


けれど、見たらすぐに分かる。


そんな確証のない確信ばかりだが、それでも、

どんな小さな可能性にだって縋りたいのだ。


私は早歩きだった足を、もっと早め、

走って帰った。

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