第3話 払暁

バイトからの帰り道、

バイト中、ふと耳にしたことを思い出していた。


店のお客さんから聞いた話だった。

正確には、聞こえた、話だけれども。


「山奥にあるでっかい屋敷があるの知ってるだろ?」


「もちろんですよ。あんな山奥に立ってる不気味な館、小学生の頃から色んな噂が流れてきましたもん。懐かしいなぁ…」


「そうだな。最近じゃ、肝試しするやつもいなくなったしなぁ…

でな?その屋敷に最近人が住み着いたらしいんだよ。」


「え?あの屋敷にですか??」


「そうだよ。しかも大金持ちの夫人がなんでも絵画を置くためだけに買取ったらしい。」


「へぇ~、金持ちの考えることはよくわかんないですね。」


「だろ?しかもその絵画の中には、何十万もするやつから、そこらへんのやつが描いた絵画もあるらしい。」


「…なんでそんな詳しく知ってるんですか?」


「いやぁ~、こういう話が好きでよォ~、よくネットとかで調べちゃうんだよな~」


「それガセネタの可能性あるじゃないですか!どこからどこまで本当のことかわかんないですね笑」


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