第2話0001
…ゆう…れい…
ゆうと…い!
(誰だ?俺を呼ぶのは)
長い夢を見ていた気がする。Galaxy deriveで銀河一の帝国の称号を公式に貰って…
「ゆうと司令!大丈夫ですか!?」
「ん…大丈夫だ。ミコト…か…!?」
「はい?そうですが?」
「え?いやでもミコト声が」
「声?ゆうと司令本当に大丈夫ですか?昨日のワープ以来どうもおかしいですよ?」
「ワープ?あっ、そうか俺は運営から貰ったコードで座標がバグってて…ミコト、現在の座標分かるか!?」
そういってガシッとミコト肩を掴み聞く。単に予定の座標にワープ出来なかったらそれで良い。しかしあの“声”の言うことが事実なら
「あっ…///あのゆうと司令…///お顔が近いですぅ」
ミコトはさっき昨日のワープがと言っていた。それが本当ならたった1日でNPCに声なんて付けれるだろうか?そもそも寝落ちなり気絶などすれば自動的にVRマシーンが落ちる仕組みだ。それでも落ちずに今ここに居ると言う事、そして座標が正しければ…
「いいから!どこの宇宙座標なんだ!」
「いっ、いちまん、1万7374です!」
嫌な汗が噴き出る。いくら頭で拒否しようとしてもわかる。この状況はひと昔前までライトノベルで流行っていた異世界転移そのものだと。
「いやまて。そもそもここは異世界なのか?」
俺が寝てる間に司令部に寝かされていたようで、司令部から見える宇宙はいつもと変わらない。と思っていた。
「なっ…!」
宇宙での朝日のごとく眼前に白色の恒星が出て来たのだ。しかもかなり大きい。
「あの恒星は謎が多いくございます」
「ん?」
ミコトがそう言って語り始めた。
曰く、あれほど大きな恒星でしかも白色…つまりまだ若い星にもかかわらず周囲に放出する光や熱エネルギーは推定値の1/1000程度しかないと言う。
「断片的ですが…」
そう言ってさらに語ってくれた。
「質量保存の法則的に、消えた分なんらかのエネルギーが放出されているとナツメから報告が上がっています」
「そのエネルギーが何なのか解明は…出来ていれば報告するだろうな」
不思議とこの一連の会話で先ほどまでの動揺は消えた。ミコト達アンドロイドはこの未曾有の事態にもちゃんと対応してくれている。
ならば、そのアンドロイド達の司令官として努めなければならない。
「状況は把握出来た。ありがとうミコト」
「はい!ゆうと司令のためならなんでも出来ます!」
「おーけー。それじゃあこの未曾有のワープ事故に関して意見交換をしたいから副官達を集めてくれ。会議は円卓にて行う」
「承りました。それとゆうと司令が起きたのも知らせておきます。きっと皆さん喜ぶと思いますよ」
そう言ってミコトは部屋から退出した。
***************
side:ミコト
うふふ。ゆうと司令に褒められてしまいました!大変です、私の胸の高鳴りがさっきから治りません!うっかり気を抜くとスキップしてしまいそうです。
しかしゆうと司令からの大事な命令受けたのでしっかり伝えなくては!
「ふーんふふーん」
「なんやミコト、えらい機嫌がええなぁ?」
「へ?はわっ!ナツメさん!いたなら声をかけてもいいじゃないですかー」
「いや、ここうちの部屋の前やし…。で?なんでそない機嫌ええの?」
「え!?それはー、ゆうと司令に褒められたからです」
「なんやて!それは羨ましいなぁ。でも納得いったわ、それで機嫌ええのか。ええなぁうちも褒められたいなぁ」
「あっ、そうでした!ゆうと司令からの命令が出ています。円卓に副官5名集合せよと」
「その指令はうちに任せとき!全員の端末に連絡送っとっとくで」
「助かりますナツメさん」
「気にせんでええよー。うちも褒められたいっちゅう下心あるからな」
「ふふ。なら遠慮は要らなかったですね。私はこの後すぐ円卓に向かいますが」
「ええで、先行っときー。うちは連絡メール送ってから向かうわ」
「わかりました」
こうして第1回外世界円卓会議が行われる事になる。そしてこれがこの世界を大きく変えるとも知らず。
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