ぶちかませ!

よしっ、ナビされた場所へと到着した。

何とか間に合ったな


【予測地点に到着を確認。エネルギー中和への最良時間まで、あと32秒。】

もう残された時間は、少ししかない。

余計な事を考える時間がなくて、むしろ良かったのかもしれない。

僕だって、自分に迫る脅威は怖いし、逃げ出したくなる。でも、やらなきゃいけない時がある。

それが今だ。


『ちょっと、コウっ。何してるの?止めてっ!』

ナビと同じ様に耳元で聞こえる声。


「止めるなよ。逃げたくなるだろ。」

苦笑いを浮かべて、答える。


『逃げればいいじゃない?成功するかも分からない事に命を掛けるなんて、ダメよ。街も酷い事になってるの。そっちで、人命救助すれば・・・』

声は尻窄みに小さくなっていた。分かってるんだ。

ここで止めなきゃ、もっと酷い事になるのを。


「ありがとう。ユウナが居るから、僕は闘ってこれた。別にココで終わるつもりは、ないから。

僕のエンディングは、ユウナと2人で歩いて行く事だからね。」

サラッと告白してやったぜ。


「烈火、グリン、ブルー、イエロを全て展開。

フルアーマー装着。」

気持ち切り替えて、いくぞっ!


【・・・・承認。フルアーマーを転送。装着確認。】

電子的な声の後には、銀の戦士から金色に輝く戦士と変わった。


【最良時間まで、あと10・・・】

ナビの声に合わせる様に空飛ぶバイクから飛び降り、海中へ。


「フォース・ジャッジメント!!」

一瞬のうちに水面へ向かって、光の柱が伸びる。

更に海面を突き抜け、空へと伸びているのがココからでも分かる。

海が割れている。

我ながら、何て力だ。でも、これで大丈夫だろう。


目映い光に包まれて、僕の意識は遠くなっていった。


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