第3話 3/12
私の愛しいオオヤマネコへ
初夏の昼下り、あなたの腰に口づける。
アーサー王の騎士のようにあなたの前にひざまずき、
何度もあなたの美しい腰骨に口づける。
緑から溢れる眩しい日差しが、カーテンの隙間から漏れる。
ゆっくりとベッドに横たわりながら、あなたの肢体を指でなぞる。
その後を唇が追い、カトゥルスの詩のように、
千の口づけをあなたの体に降らせていく。
柔らかなシーツが少しずつ波を打っていく。
サロメが銀の皿を抱くように、あなたの首に腕を回し、
あなたの冷たい頬に口づける。
眩暈の中のむせかえるような甘い囁きと短い吐息。
終わりのない贅沢な時間は、厭世と交わることはない。
それでも、あなたに全てを委ね、私はあなたに口づける。
あなたのサイチョウより
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