光の化身

ラーは、古来よりさまざまな神々、さらには悪魔とすら融合し、その姿を幾度も変化させている。


それはラーが追い詰められ、力が弱った時に起きており、それは当時流行った宗派や、思想に吸収されたためと言われている。


そのことから、ラーは、最高神と言われながらもあまり強くない、力の不安定な神と思われがちだ。


だが否。


そんなことはない。


幾度と吸収されようと、力が弱ろうと、最後には最高神として昇り、今なお世界中にしらぬものはいない存在となっているのだ。


弱いわけがない。


神の存在自体否定されるような現代社会でなお、神の位置を保ち続けていることが何よりの証拠である。


他の神と融合するのも、力が弱ったようにみえるのも、全ては時代の流れの変化に対応するための適応力に過ぎないのだ。


時代の流れが変わり、神のあり方が変わっても、最適なものと融合することで自らの存在を最適化させることができるところがラーの力の真なるあり方なのだ。


今回のバハムートの攻撃『自らの存在を無限に拡大し、ラーの巨大な力を覆い潰す』


それはかつてのラーのあり方、

『最高神としての威厳で敵を焼き尽くす』

すら飲み込み、完全に鎮火させてしまう程だった。


しかし、


この場での最適解をラーは見つける。


ホルスと融合し、新たな存在、『ホルアクティ』となったラーは、数多の星々に光を与える太陽光となって、拡大し続ける闇を突き進む力を手に入れた。


現在のラーは、牡羊の姿に隼の翼を生やし、『夜の船』に乗り、無限の闇を移動している。

そして、その巨大な重力は、バハムートすら吸い寄せ始めた。


「終わりだ‼︎バハムートォォォォォォォ‼︎」


叫ぶと、ラーは、


射程内に入ったバハムートに、光の剣を突き立てた。

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