開戦‼︎

女神が一人と、鏡が一枚。


他には何もない、真っ白な空間。



そこに、


「お呼びでしょうか?女神ガイア」



「やほー」

「おはー」

「ちわー」

「もにー」

「んわー」

「はろー」


最初に、美しい女性の声がした。


その後、6通りの子供っぽい声が6通りの挨拶をする。


「ええ、ちょうどいいところに来てくれました。『黙示録のラッパ吹き』」


この上なく慈悲に満ちた、優しい声で、彼女たち『黙示録のラッパ吹き』を迎えるガイア。


――黙示録のラッパ吹き。



『ヨハネの黙示録』に記される、ラッパを与えられた神の御使い。

7人いて、それぞれが一つずつ、封印のラッパを持っているという。


それぞれがラッパを吹くごとに封印は解かれ、7つめのラッパが吹かれた時、世界に最終的な終焉が訪れるという。


名前は、

一番前に立つ、見るからに他の6人より大人な見た目の、美しい女性が『第七』


右から

『第一』

『第二』

『第三』

『第四』

『第五』

『第六』



最初の美しい声の女性、


第七は、他の6人の前に立ち、女神にお辞儀をする。


それは、声のイメージ通り、美しい姿をしていた。


他の6人も、まさに子供のような姿をしている。


最初の美しい姿の女性がお辞儀をしたのを見ていた、6人は、それに習うように互いの顔を見合わせながらお辞儀をする。



「私たちを呼んだと言うことは、ついに始めるのでしょうか?」


「かー?」

「かー?」

「かー?」

「かー?」

「かー?」

「かー?」



相変わらず最初の一人以外は雑に、今度は何のバリエーションもなく、同じことを繰り返すだけになった黙示録のラッパ吹き達。


「はい。始めましょう‼︎黙示録を‼︎」


高らかに宣言する女神ガイア。


それを聞いたラッパ吹き達は、


「承知いたしました。では、順番に始めさせていただきます」


機械的に礼をして、後ろに控える6人の方を向く。


そして、

「第1のラッパ吹き」


「はい‼︎」


第七の呼びかけに、一番右のラッパ吹きが元気よく手を上げて返事をする。


「ちょうど第1のコロシアム、陸のコロシアムに役者が出揃いました。いつでも始めてください」


女神がGOサインを出した。


「オッケー、それじゃあ、いっくよー‼︎」


ラッパを構えた第一が、大きく息を吸い込んでラッパに口をつける。




ブォォォォォォォォォン‼︎


重々しい笛が鳴り響いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る