第5話

「・・・」


 ────なんでこうなるかね。


 全く見ず知らずの人まで俺の家に勝手に上がり込んで何故かゲームし始めてるし。


「いやー早く行ってよ!」


 ────ズズン タラッタッタラ タラッタタ


 これだけで何をしていたかを分かるあなたは、ゲームにハマりこみすぎている。


「いやー死んじゃったじゃない!」と涼葉


「あなたが下手だからじゃない。」とパティムネ。


「むっ!」


 心当たりはあるようだ。ゲームですら楽しくできないのかね。


「・・・あの〜。」


「帰れと言いたいのだろう?」


 よく分かりましたねパティムネさん。


「そうです。」


「本当にいいのかい?この光景を良く見てみなさいよ?」


 ────この光景?


 胸が大きくて美人(?)なパティムネさん。


 胸は普通だけど別に可愛いとこがたまにある美郷。


 ロ・・・じゃなくて小柄な・・・これも駄目か。とりあえず、小さい涼葉。


 確かにどこぞのアニメとかでありそうな設定ではあるよな。


「・・・いいです。」


 ────これは帰った後に後悔するやつだな。


「なるほど。後悔するんだな?」


 ────なんで!?思考を読まれてる!?


 これがパトゥロゥルェの技術なのか?


「・・・母さんを騙せると思ってるの?」


 あ!忘れてた。アニメのシーンが完全に崩れた。


「お帰りください。」


「お母さんがしゃしゃり出るから、ミスったんですよ!」と美郷。


「お母様、お帰りください。」


 まためんどくさそうなバトルが始まった。


「・・・これはチャンスかも。」


 俺は涼葉に腕を掴んまれ家の外に連れ出された。


「な、何をしているんだ?」


 ────あまり密着しないで欲しいんですけど。


「これで2人だけになれたね♪」


 ────そうじゃないんだよ!状況の問題なんだよ!TPOなんだよ!


「とりあえず、戻ろうな。な?」


 ────頼む!戻ってくれ!


「えー分かった。」


 ────良かった。これで一安心だ。


「って言うと思った?」


 ────はい?


「とりあえず、町を案内してよ。」


「行かないって言ったら?」


「・・・?」


 ────この反応は選択肢を持たせるという名の強制ですね?


「わ、分かりました・・・。」


「そうと決まれば、早く行きましょ♪」


 ────本当に大丈夫かな?


 俺と涼葉は何故か商店街に行くことにした。


「わぁー!懐かしい!」


「お前、まだ15だろ。」


「は?私はこれでも605歳よ?」


 あ、そうか。こいつは未来の涼葉だからか。


「ねぇーなんか奢って!」


「お前、605歳なんだよな?590歳下に奢られていいと思ってんのか?」


「そんなプライドは捨てたわ!」


 ────自慢げに言えることじゃねぇ!


 俺は振り回されてばかりであった。


 まだまだデートは続きます♪

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