第43話 ◆あかね応答せず

◆あかね応答せず


ドオォーーーン ・・・ ・・・


うわーーーーっ!


キャプテン桃島! RAG号の居住区に被弾、第二装甲板まで破損。  隔壁によるロック完了デス!


なお、デビルズアロー号は接近しながら、こちらの対艦機雷に対してレーザー砲を撃ちまくっています。


よし、仕方がない。 こっちからもレーザー砲で反撃!  なるべく対艦機雷に当たらないようになっ!


ラジャーデッス!


あと、全速で後退し、なるべく敵艦との距離を保て!


桃島・・  あかねバックは苦手なんです。


いいから、命令に従え!


ババァーーン


第三倉庫付近に被弾しました。 現在消火活動中デス。


くそっ、せっかく火星で高い金払って修理したのに、またボロボロじゃねぇか!


今度修理したら、桃島の報酬はマイナスですね。  かわいそうデス。


いや、地球まで持ってくれればRAG号はスクラップに出す。  少しは金になるだろう?


ひ・・ひどいデスよ。 


報酬なしになったら、俺の方が可哀そうだろがっ!


つべこべ言ってないでスクラップになりたくなければ、敵艦をさっさと破壊しろ!


わかりましたよーーー やってやろうじゃありませんか!  本気のあかねを見せて差し上げましょう。



それ それ それっ!


この1年ちょっと、毎日マリエさんとシューティングゲームで競い合った腕を舐めたらいけませんデスよーー!


ババァーーン


ドン ドン ドン


パシュッ


ドオォーーーン


やりました、やりましたよーーー


デビルズアロー号の艦首レーザー砲を沈黙させましたデッス!


シュルルルッ


ガギャーン


あかねが誇らしく叫んだ後RAG号の船体が大きく揺れた。  と同時に船内の電源が落ちて真っ暗になる。


が、すぐに赤い非常灯が点く。



あかね、被害状況は?


しかし、あかねが応答しない。



もしかしてシステムが落ちてしまったのだろうか。


もし、そうなら俺も急いで脱出しなければならない。  なぜならば船内の生命維持機能もすぐに働かなくなるからだ。



どうした、あかね?  応答しろっ!


・・・


あかねが応答しないため、俺は小型艇のある第三倉庫を目指し移動を開始する。


そうだ、カンナはどうしたんだ?  あかねが使い物にならない時は代替でカンナが起動するんじゃないのか?


おいっ!  カンナ、応答しろっ!


・・・


ちっ、ダメか。


ボンッ


ドォーーン


船内のどこからか爆発音が響いて来る。  これは思った以上にヤバイ状況なのかも知れない。


第三倉庫に近づくに連れ、煙が濃くなってくる。


そういえば、第三倉庫付近に被弾したんだっけ・・・


このままでは、小型艇のある場所に辿り着けない可能性が高い。


少々動きづらくなるが、防護服一式を装着する。  これなら煙を吸う事なく一定時間は活動できる。


ただし、酸素の供給時間はボンベの容量次第だ。


ゲージを確認すると残り時間は20分程度だった。


くそっ!  煙で前が見えない。


手探りで前へ進むが途中で瓦礫に阻まれ、とうとう進めなくなってしまった。


残り時間は15分。


俺は頭の中に船内マップを思い浮かべて、回避ルートが無いか懸命に考えた。


そうか、こっちからいったん船外に出て、別のハッチから入りなおせば・・・


しかし15分で行けるか?  もし予想以上に時間がかかれば窒息死か・・・


でもここに残ってもおそらく死ぬことになるだろう。


俺は覚悟を決めて歩き出した。




はたして桃島が脱出できたのかは、次回のお楽しみなのデッス!

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