第39話 ◆恋のサイボーグバトル
◆恋のサイボーグバトル
つぐみとラードゥシュカは、サイボーグ同士ということもあってか、あれから何かと二人でお喋りするようになっていた。
今日も昼食後、コーヒーを飲みながら女子トークが弾んでいる。
ラードゥシュカさんはお幾つなんですか?
あったしは、先月で27歳になっりましたよ。 つっぐみさんは、18歳くらいデッスか?
まあ、ラードゥシュカさんたら・・・ あたしは23歳です。 RAG号の往復で2回も誕生日を迎えるなんて思ってもみなかったですけどね。
(на самом деле) ナ サモンディェレ ←ほんとうに?
もっと若く見えますね。 日本人は本当に幼く見えるのがふっしぎデ~ス。
でも、23歳なら恋人は絶対にいますね?
え~と はいデス。
あったしも恋の予感してまっすネ。
まあ・・・
ほらっ、この船のキャプテン・・ もっもしぃまは、素敵デス。 あたしも地球に着くまでにアタックしようと思ってまっす。
えっ? いまなんて?
あたし、もっもしぃまに恋しちゃいました。
だ、ダメですよ。
それは、なぜですか?
あたし、桃島さんと付き合ってるんです。
おぅ・・ ・・・ でも、もっもしぃまさんは、きっとあたしが恋人の方が楽しいとおっもいますネ。
ちょっと、ラードゥシュカさん、ひとの恋人にちょっかい出さないでください!
でも、あたしも好きになったよ。 ももしぃまは、つっぐみの旦那様じゃまだあっりませんよネ!
それなら、あたしにもチャンスはあっりま~す。 ここはひとつ勝負しましょうネ。 勝った方が、ももしぃまの恋人デッス!
そんな・・・ わ、わかりました。 日本対ロシアの恋の対決、受けて立ちます。
ぶっはぁ~ これは面白くなってきましたねぇ・・・ あかね、ひさびさに興奮してますよ~♪
桃島にも教えてあげたいところですが、ここは昨日のこともあるから面白黙ってましょう。
(捕捉:面白黙るとは、面白くなるまで黙っておこうのこと)
・・・
桃島さ~ん。
おぅ、佐々木か、どうした?
あのっ! あたしと結婚してください!
ぶはっ なんだ? 今度は頭のネジが緩んだか? そうなら一条を今直ぐ呼んでくるぞ。
もう、真面目に聞いてください。
つぐみが、桃島の腕をぐいっと引っ張る。
!! おいっ、あたってる・・ あたってるって!
いいんです。 これは二つとも桃島さんのものですから!
俺の・・・ もらってもいいの ・・ ほんとに?
あっ、見つけまっしたよ! ももしぃま。 こんな女は放っておいて、あたしといい事しっましょう。
ラードゥシュカも、桃島の反対側の腕にしがみつく。
うぉっ・・・ こっちも・・ あたってるーーぅ
ああっ やってますね~ こんなに早くイチャイチャバトルが見れるなんて、あかねエキサイトしますデス!
しかも、二人とも96cm・・ ダブル巨乳対決デッスネ~ ゴジラ対キングギドラみたいデッス!
ちょっ、 お前たち、いい加減にしろっ! 仕事が出来ないじゃないか!
桃島は言葉とは裏腹に、極上の柔らかな物体を名残惜しそうに引きはがした。
あんっ 桃島さんってば・・ いじわる。
(Никогда не сдавайся)
つっぐみさん、あたしは決してあきらめませんよ!
そう言い残すと、ラードゥシュカは、ジムの方へ歩いて行った。
ふぅ~ 佐々木よ。 いったいお前ら何やってんの?
だって、あたしが桃島さんと付き合ってるっていったら、ラードゥシュカが横恋慕してきたんですもん。
ねぇ、桃島さん。 あたしをお嫁さんに、もらってくださいませんか?
分かった。 か、考えておくよ。
桃島は、もし二人が本気で自分を引っ張りあっていたら体を真っ二つにされていただろうと思うと、急に膝がガクガク震えだした。
そういえば、大岡裁きっていうのに子どもの腕を一本ずつ持って引っ張り合うってのがあって、結局手を放した方が本当の母親ってのがあったな。
あいつらだったら、ぜってーー どっちも離さない気がするわっ!
桃島が怖い思いをしたので、次回へ続く・・・
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