第38話 ◆覗きなんかしてませんよ!
◆覗きなんかしてませんよ!
軍事用ロボットの受け渡し場所が決まったぞ。 先ほどボスから連絡があった。
それより報酬の方は、ほんとうに大丈夫なのだろうな?
それは、物ぶつが確かに我々の手元に届いてからの話しだ。
言っておくが、もし報酬が振り込まれなければ起動用コマンドのパスワードは、絶対に教えられないからな。
ふふっ いくら強気に出てもお前にはもう戻る場所は無いのだから、おとなしく我々に従えば良いだけだ。
いいか、コンタクトするポイントはここだ。 このままの速度で飛び続ければ、2日後の15時には接触するはずだ。
その時は、たぶん白兵戦になる。 自分たちは、船内が鎮圧されるまで自室で待機だ。 いいな。
(понимание)ポニマニエ。 ←了解
(補足:白兵戦とは、刀剣などの近接戦闘用の武器を用いた戦闘のこと)
同じころ、一条マリエはサインをもらおうとイラルシュカを探して船内を歩き回っていた。
RAG号が建造された年代の宇宙船は外壁が損傷した場合に備え、幾つかの部屋を通路で結んだ構造になっている。
いわゆる、潜水艦のような構造である。
ただし、通路を閉鎖した場合に一つの部屋に閉じ込められないよう、部屋には最低二つの出入口が設けられている。
そのため、船内はちょっとした迷路のようだ。
いったいイラルシュカさん、どこにいるのかな?
部屋にはいなかったし、シアタールームは猿渡さんがエッチな映画見てるだけだったし・・・
シャワールームは真っ暗だったし、後いるとすればジムかプールのどっちかかしら?
おっ、一条じゃないか。
あ、桃島さん。 ちょうどよかった。 イラルシュカさん見ませんでした?
ああ、物理学者だっけ? そういえば、少し前に食堂の自販機の前にいたぞ。
ほんとうですか。 ありがとうございます。
あっ、おい。 少し前って20分くらいだぞ・・・ って聞いてねえし!
あ~あ キャプテン桃島ってば、イラルシュカさんならもうお部屋でお休みデスよ。
あかね・・お前、知ってるなら一条に教えてやれよ!
いやいや、AIは必要最小限しか人間に接触しないよう出来てるんデスよ。
うそだろ。 お前、俺にはしょっちゅう絡んでくるくせに。
それは、桃島がキャプテンだからデスよ。
んっ? ちょっと待てよ・・ あかねは俺たちの部屋の中までモニタリングしてるのか?
だから前にも言ったとおり、24時間安心セキュリティをご提供デス!
いやん。 おいっあかね! 今日から俺の部屋の覗きは厳禁だからな!
桃島は失礼デスね。 あかねは、覗きなんかしてませんよ! ただ、みなさんが安心できるように常に見守っているのデ~ス。
ばかやろっ! そっちの方が安心できねぇよ!
桃島が夜中にゴソゴソしてるのか不明なので、次回へ続く・・・
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