第29話 ◆まさかの告白

◆まさかの告白


美味い酒を飲みに行ったのに、佐々木のせいで台無しになった。


帰ったら文句の一つ、嫌みの三つは言ってやろうと思っていたが、タラップを上ると佐々木が土下座をしていたのであっさり許す。


っと言うか無視した。  理由は、あんまり関わりたくなかったというのが本音だ。



ごめんなさい。  いつも迷惑ばかりかけて。   そして助けてくれて本当にありがとうございました。


このご恩は決して忘れません。



俺の背後から泣きそうな声で言われるとちょっとだけ可哀そうになる。



ま・・まあ、次からは気を付けたまえよ。 いつも都合よく俺が居合わせるとは限らないからな。



だ、だったら・・ 桃島さん、あたしと付き合ってください。


な、ななな・・  何を言ってるんだ、佐々木君。


あたし、桃島さんのこと好きになってしまって・・・


(いや、その頑丈そうな腕と体でくねくねされても恐怖心しか湧かないんですが)


あーー そ、そうなの。  それは嬉しいんだけど・・・  ほらっ、その付き合うとか、普通そこまで行くのには順番っていうのがあるじゃん。


(うわーー  何言ってるんだ俺)


そ、そうですよね。  それじゃ、どうしたらいいですか?


ま、まずは冷静になって、本当に俺なんかを好きになったのか考えようよ。


たぶん、吊り橋効果みたいに、肉まんで死にそうになってたところを助けてもらって、一時的に胸キュンしただけかもしれないじゃないか。


・・・ あたしのこと機雷なんですか?  ←敢えて嫌いを機雷と書きました。


(ああ、確かに佐々木君は機雷だよ)


いや、そういうことじゃなくて・・・  (あーー 女性っていきなり会話がぶっ飛ぶから対応に困るぜ)


わからないかなあ・・


グスッ  


(あ゛ーーー  まずいな。  この上、泣かれたら俺の手に負えんぞ)


いや、あのその  お、俺の方こそよろしくお願いします。   (あちゃーーー  しまったつい言ってしまったーーー)


ほんとうですか。  うれしい♪


(あ゛ーーー  終わった、俺終わったわ。  よりによってバーサーカーと・・・)



お二人とも、おめでとうございますデス。  あかねも嬉しいデスよ。


(しまっ  あかねに聞かれてたのか!)   俺は人生で初めて Orz 状態になった。



あー そういえば俺、まだ部屋の片づけの途中だったわ。  それじゃ、佐々木君また。


あっ、待ってください。


まだ、何か?


二人の時は佐々木君じゃなくて、つぐみって呼んで欲しいな・・  なんて・・


(なんだ、これ?  グイグイ来られてないか。  これはちょっとヤバイぞ!)


いやいや 船内は職場だからな。  それは無理だ。  絶対に無理だぞ!


そうですよね。  職場とプライベートは、けじめが必要ですものね。


あと1年かぁ・・・  そうだ、桃島さん。  地球に戻ったら両親を紹介しますね。


あおぅぅ・・・



桃島が困っているので、次回へ続く・・・

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