第26話 ◆ボディスーツの秘密
◆ボディスーツの秘密
おい、あかね。
なんですか、キャプテン。
聞いてくれよ。 あのバカ兄貴、妹のために軍艦にお菓子を積んでいたんだぜ!
そうなんデスか?
ああ、どんだけシスコンなんだよ!
だけど、よかったじゃないデスか。
んっ? どうしてだ。
だって、もしお菓子が無かったら、佐々木さんRAG号の中で大暴れするかもしれないじゃないデスか。
それは、嫌だな。
でしょ、でしょ。
ところで、船の修理の方はどうなってる?
在庫の材料で、ロボットたちがなんとか修理しています。 たぶん、明日中には終わると思いますデス。
そうか。 頑張ってくれてありがとな。
キュウーーーン
キャプテン、初めてデス! あかね、初めて感謝の言葉をかけてもらえて嬉しいデス!
あ・・ああそうか。 初めてだったかな・・ なんか、すまんな。
そういえば、ウラヌス号はまだ本船について来てるのか?
はい。 RAG号のレーダー圏内ギリギリのところを飛んでいますが、まだ追尾されていますね。
そうか、海賊よけにはなりそうだし、しばらくほっとくか。
桃島先輩、ちょっとお話しがあるんですけど。
なんだ、雉田か。 どうした?
佐々木さんの事で聞きたいんですけど。
俺は何も知らんぞ。
昨日、佐々木さんが着ていたボディスーツって、超エロくなかったですか?
ぶっはっ! いきなりそれかよ!
あれは、いったいなんなんですか?
なんで俺に聞くんだ?
いや、猿渡さんが、桃島先輩と佐々木さんが付き合ってるって言ってたんでご存じかと。
なっ、なんで俺が佐々木と付き合ってることになってるし!
違うんですか?
当たり前だろ。 付き合ってるように見えるか?
いや、よくわかりません。 僕はフィギュアが恋人ですから。
あっそう。 そりゃ良かったじゃないか。
ところで本題ですが。
まだあったのか?
ですから、あのエロいボディースーツって、どこの商品なのか気になってるんですよ。
そんなこと聞いてどうすんだよ、この変態野郎!
いやあ、そのぉ・・ もし分かったらその会社から許可を貰って、あのボディスーツを着たフィギュアを作りたいんです。
きっと大ヒット間違いありません。
マジ? 俺、そういうのよく分からないんだ。 ごめん。
で、ご存じありませんか?
雉田、おまえの部署って、そういうのやってたの?
いえ、あくまで僕の趣味なんですけど、今度サイドビジネスやろうかと思ってまして・・・
そうか。 でも悪いけどさっきから言ってるように俺は何も知らんよ。
悪いけど自分で佐々木に聞いてくれ。
い、嫌ですよ。 もし殴られでもしたら即死ですよ!
だよな。
桃島さん、なに楽しそうに話してるんですか。
うわっ
そんなにびっくりしないでくださいよ~。
いや、佐々木が急に現れたから、ちょっと驚いただけだ。
ほらっ、雉田。 佐々木に聞きたい事があったんじゃなかったのか。
なんですか、雉田さん。
いや・・その・・ や、やっぱりいいです。 それじゃ、失礼します。
あっ、ちょっと。
ところで佐々木、からだの方はもう何ともないのか?
はい、ご迷惑をおかけして、すみませんでした。
そうか、次からは無茶なことをしないでくれよ。 何かあったら全てキャプテンの俺の責任だからな。
はい。 でも、あたし正直あまり覚えていなくて・・・
はいぃ?
あの時、本当はお菓子を少しでも回収したくて飛び出したんです。
えっ、そうなの?
でも、プロテクトスーツがキツクテ途中意識が朦朧もうろうとして、気が付いたら海賊船の中だったんです。
スーツがきついって、太り過ぎたんじゃないのか?
いいえ、体重は少ししか増えてません!
ほんとかよ!
だって、たったの3kgですもの。
あ゛ーーー そっかーーー
なんですか、その反応は!
ところで、そのきつかったエロ・・ いやボディースーツだっけ。 それって市販されてるの?
なんでそんなこと聞くんですか?
いや、俺も少し腹がでてきたし、男性用も売ってたらなぁ・・ なんて・・・
あのスーツは、サイボーグ化した時に研究所で特別に作っていただいたんです。
実は、あのスーツを着ていないとサイボーグ化したパーツに生身の部分がついていけないんですよ。
そうだったのか。
でも、やっぱり女の子としては、かわいいお洋服を着たいしで、普段は着用しないことにしたんです。
ふ~ん
やだ、あたしったら、いろいろしゃべっちゃった。 今の聞かなかったことにしてください。
ああ、わかったよ。
それじゃ、俺は船の修理箇所の点検があるから、これで失敬するよ。
こうして、ボディスーツの秘密と今回の佐々木の暴走の理由がなんとなく分かった1日であった。
次回へ続く・・・
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