第19話 ◆えっ、俺もなの?
◆えっ、俺もなの?
ダダダダッ
バキッ グチャッ
うわっ!
佐々木がすっごく怖い顔をして、ついに俺の部屋のドアをも破壊して突入してきやがった。
この時、俺は死を覚悟した。 幼いころから現在までの出来事が走馬灯のように頭の中をよぎる。
(補足:走馬灯は、影絵が回転しながら写るように細工された回り灯籠のことです)
取り消しです! 絶対にダメです。
佐々木君、ついに頭の方の調整も必要になったのね。
何を言ってるんですか。
調整作業が・・・ 作業が一人では無理なんです!
はっ? どういうことだ?
言わなきゃダメですか?
お前、自分が言ってることの目茶苦茶さが分かっていないだろう。
・・ 一条さんがマニュアルを見てから動画で確認したんですけど・・・
おう、昨日言ってたな。
や、やっぱり言えないっ!
わかった、それじゃあ聞かないから帰れ! 俺は航海日誌をつけなきゃならんからな。
ひ、酷いじゃないですか! どうしてわかってくれないんですか?
う~ん そう言われてもなぁ・・・ 俺はエスパーじゃねえし。
わかりました。 それじゃあ理解力に欠ける桃島さんのためにイヤイヤ話します。
ちぇっ、理解力がなくって悪かったな。
実はコントローラーは足の付け根の二か所にあるんですけど、足の調整はその二か所をタイミングを合わせて同時に調整する必要があることが分かったんです。
両足の付け根のそれぞれをか・・・
いやーーーっ いま想像しましたよね!
ごめん・・ した。
カァーーー 佐々木つぐみの顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
でもよ、医務室にはナースロボットが居ただろ? そいつに片方を任せればいいじゃないか。
桃島さん、ナースロボの手を見ませんでしたね?
手がどうしたんだ?
あのロボット古いから、人の手みたいな構造してないんですよ。 だから一条さんの他にもうひとり助手が絶対に必要になるんです。
佐々木君、君を今から監禁する!
だ、だからやってください!
??? 何を?
助手をですよ!
俺が?
そうです。
おい、なんで俺なんだよ!
えろ大魔王の猿渡さん、フィギュア大好き雉田さん、超ムッツリーニの犬居さんには、ぜーーたいに頼めませんから。
つまり消去法で俺ってこと?
そうです。 あたしだって清豚で覚悟を決めたんです。
(補足:清豚とは、清水の舞台から飛び降りるの略である)
いやいやご推薦いただいたようですが、辞退させていただきます。
なんでですか。 ねえ、なんでなんですか?
だからさ、半年倉庫で我慢すればいいだけじゃん。
エグッ ヒッ うわ~ん そんなのやだーーー!
佐々木君、最初っから俺に迷惑かけすぎじゃない?
わーーーん
あーーー もう! わかったよ。 やればいいんだろ。 やれば。
ほんとうですか? それじゃ目隠ししながらやってください。
あほを言うな。 そんなことしたら、真のバーサーカーが誕生してしまうわい!
次回へ続く・・・
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