第14話 ◆健康診断&ナースロボ

◆健康診断&ナースロボ


地球を立ってから半年が過ぎ、いい加減みんな元気がなくなって来ていた。


やたら独り言を言う者が増え、更には突然泣き出す者や箸を落としただけで5分間も笑い続ける者が現れた。


これは流石にヤバイ。  そう思った俺は、あかねを呼び出した。


お~い。 あかねくんや~い。


なんかようですかデス?


おう、何かおまえまでダレていないか?


いや~ もう毎日が退屈で、自分ダメになりそうデスよ。


あれ?  おまえ放置されるの好きじゃなかったっけ?


なんなんですか?  長期放置はプレーとは違うんデスよ!  分かってないなあ・・・


いや、分かりたくねえし!



そんなことより、乗組員の健康管理って、あかねの仕事じゃなかったのかよ。


みんな、だいぶおかしくなって来てるぞ!


いやいや、みなさんのバイタルデータは、1日2回計測してるんデスよ。


バイタルデータっていうのは、脈拍、血圧、体温など人体から取得できるさまざまな情報のことデス。


俺だってそのくらいは知ってるよ。


で、問題があるやつとかいないのか?


はい♪  佐々木さんの血糖値とコレステロール値が少し高いデスけど直ちに影響はありません。


そうか・・・  でも、この状態では、みんなにも心と体の健康について考えてもらわないといけないなあ。


ではでは、乗組員さんたちの健康診断を実施しましょう。


ついでに運動能力に衰えが無いかも確認しておくといいかもな。


それじゃあ、面白いからスポーツテストもやっておきましょうか?


そうだな。  気晴らしにはなるかもしれん。


では、居住区の一番端に医務室がありますので、明日の10時から女子のみなさん、13時から野郎のみなさんの予定で準備しておきますデス。


おう、それじゃみんなに伝えておくわ。



・・・ 13:00 医務室


つぐみさんって、胸が大きくていいなぁ。  いったい何カップあるんですか?


一条マリエが自分の貧乳と見比べてしみじみいう。


G・・かな。 でも、この船に乗ってからブラがきつくなって・・・  少し太ったのかも。


AA、A、B、C、D、E、F、G・・って7段階も差があるなんて・・


ずぅーん


一条は、激しく落ち込んだ。  あの時、せめてもっと・・もっと牛乳を飲んでおけばよかった。


ちょっと、あかねっち。  へんなナレーション入れないでよ!


てへっ  さてさて、健康診断デスが、あたしには手足がありませんので、代わりにそこのナースさんロボットがお二人の健康診断を担当してくれま~すデス。


佐々木が横を見るとピンク色のナース服を着た、ちょっと見マネキンのようなロボットが立っていた。


それでは、まず身長と体重をはかります。


正確に計測するので、服は全部脱いでください。 ←ナースロボさんが話してる


えっと・・ 全部って下着はいいんですよね?  佐々木つぐみが確認するが・・


聞こえなかったのですか?  もう一度言います。 全部です。  


やだあ、恥ずかしいよ~。


どうしてですか、二人以外は誰もいないでしょ。


それは・・そうだけど・・・


はい、では脱いだら体重計に乗ってくださいね。  あと、診断項目が全て終わるまでは、そのままの恰好でお願いします。


ひぇーー 最期までですか?


こ、これって羞恥プレーデスよね。  ああっ、あかねにもして欲しいーー!


あかねっちってば、健康診断を受けてるあたしたちは寒いんだよー。  貧乳の一条が叫ぶ。


大丈夫デスよ。  室内温度はこれから25度まで上げますから。



はい、では一条さんから、体重計に乗ってください。


あ、あたしから?


あいうえお順でお願いします。


だ、だから出席番号がいつも3番目で、いつもいつも授業で真っ先にあてられるし、あいうえお順は嫌なのよ。


はい、ぶつぶつ言ってると遅くなってしまいますよ~。  子どもじゃないのですから、テキパキやってくださいね。


はい、45kg。 もう少し太られてもいいですね~。 あっ、特におっぱいが軽すぎるみたいです。


・・・ もうやだ


はい次、佐々木さん。


桃島さん、許しませんからね。 せめて一週間前に言ってくれなきゃダメじゃないですか。


前日に言ったって、食事抜けるの2食だけですから・・・


はい、90Kgです。


ごくりっ  佐々木さんて、そんなに太ってたの?  びっくりした一条の目がまん丸くなる。


いえ、これには深いわけがあって・・・ その・・・


あーー そうでした。 佐々木さんは、部分サイボーグでしたものね。 金属分を差し引いておきますから安心してください。


キラリッ


それを聞いた一条マリエの眼鏡の奥が一瞬光った。  そう、一条はエンジニアだった。 しかも無類のメカ好きである。


はいはい、お次は身長をはかります。


一条さん156cm、佐々木さんは162cmですね。


次はメタボ計測です。


まずはウエストをはかります。


一条さん55cm、佐々木さんは60cmですね。


胴回りメタボはお二人ともクリアです。


女子はサービスでバストとヒップもはかりま~す。


いや、あたしは遠慮しておきます。  一条マリエがキッパリ断る。


では佐々木さん。


シュルシュルーー


行き成り2本のメジャーが佐々木の胸を一周する。


たちまちアンダーとトップサイズが読み上げられる。  はい、68と96。


うわっ、おっぱいお化けだ。


ああ~ん  恥ずかしい~


Gじゃないじゃん嘘つき。  8段階差になってるし・・  もうヤダ・・


この後も視力、聴力、心電図、CT、超音波、血液、血圧と検査が続き、午後からはジャージに着替えてスポーツテストを行ったのだった。



次回へ続く・・・

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