第13話 ◆戦闘の後のひと時
◆戦闘の後のひと時
桃島さん、さっきの戦闘であたし 一瞬三途の川が見えました。
戦闘中しばし気絶していた、佐々木つぐみが唐突に語り始める。
それで・・ その川の向こう岸で、桃島さんがあたしのことを手招きしてたんです。 ほんとに怖かったーーー。
おいっ! 俺、死んでねーし! 川の向こう側は死者の世界だって知ってて言ってんのか?
でもでも本当に見えたんです。
いや、おまえもういいから黙ってレーダーでも見てろ。
・・・
桃島先輩、海賊ってこれからも襲ってきますかね?
どうかな? でも、奴ら俺の予想よりもはるかに早く現れたぜ。
そうなんですか。
そうさ、まだ火星までの距離は2億万kmもある。 ここは地球からたった3千万kmだぞ。
こんなに地球に近くて治安がいいところで海賊に遭遇するなんて滅多にないことだ。
自分やっぱりフィギュア持って来てよかったッス。 みんなと一緒に死ねるなら寂しくないですからね。
雉田、おまえ悲しいやつだな。
・・・
桃島さん、第2エンジンの調子が良くないです。 さっきの戦闘で、回転シャフトに歪みが生じているようです。
一条君、この先の航行への影響は?
さきほど、あかねっちと確認したんですけど、第2エンジンを停止して修理しても、3日ほどの遅れで済みそうです。
あかねっち? お前たち、いつの間にそんな仲に?
実は、ゲームの対戦仲間でして・・・
そうなの?
聞いてください。 勝率はなんと4割超えです。
それって、6割負けてんじゃん!
いやいや、わかってませんね。 AI相手に4割勝つってどんだけ凄いことか。
いや、分かりたくねえし!
・・・
桃島~ なんで乗組員にもっと女性を誘わなかったんだよ。
猿渡君、もう円盤じゃ物足りなくなったのか?
いや聞いてくれよ。 なんだかこの船だいぶ古い所為か、俺のお宝円盤が再生できないんだ。
きっと再生機の規格も古いんじゃね~の?
いやいや、猿渡君。 俺のはちゃんと再生されたぞ。
おかしいな~ こんなことなら家から立体再生プレーヤーも持ってくればよかったなあ・・・
猿渡よ、それってあかねが故意に再生出来ないようにしてんじゃね。 ←心の声
・・・
桃島、この船のプールの水って、なんでしょっぱいの?
しょっぱいのか?
なんだお前、まだ泳いでないの?
いや、泳いだけどプールの水なんか飲まないし。
えーー クロールなら口の中に少しぐらい水入るだろ?
いや~ 俺はそんな本気で泳がないからなあ。 きっと、海で泳ぎたいやつがいることを想定して水を張ったんじゃないのか。
そうか、いろいろ気配りされてるんだな。
そういえば犬居、おまえ随分とマッチョになってないか?
うん、やることがないから、プールとジムトレが習慣になってな。
おぉそうか。 今度是非、佐々木を誘ってやってくれよ。
・・・
キャプテン、みんなと楽しそうにお話ししてます。 あかねともお話ししてください。
・・・
・・・
ぐはっ も、もしかして放置プレー続いてるんですか!
おう、だ~ってろや。 ←桃島は、黙ってろやと言っている
んっ! はぁあん この扱い、これ感じちゃいますぅ。
あかねは、やっぱりM変態設定だったのか。
ああ、まったくこの先が思いやられるぜ!
次回へ続く・・・
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